光の道を封ずる為に
静香王の号令によってマルクが危険に曝されている事が、住民に伝わった。
「皆さん落ち着いて下さい。乗り込んでくる者たちはほんの少数です」
そして続けて「まず皆さんの力を使って防壁結界を張るのです。B級以上のキューアは協力して下さい!」
続々と人が集まり五百人ほどになった。男性より女性が多いようだ。「さぁ皆さんキュアを手で粉ねて印を結ぶための魔力を作るのです」
そこにいたキューア達は手の平に青い治癒用の気を溜めている。「そうです。それをこのバンゲラの箱の中に投入して下さい。私が結界を魔法術式を描いて作りますから」
かなりの魔力の量が集まった。静香王は唱える。「我、隅角の結晶持て空間凍結を望むもの。金剛の如き外壁により乱ずる物を排除せよ」と。
すると透明な鉄がマルク最東方であるエルクスのかつてあった場所に張り巡らされ、それがどうやらドーム状に構築された結界であるようであった。
「これで住居区は4800時間、ジルバからもマルクのモンスターも攻撃をする事は出来ません。私は王者の試練に入ります。皆さんはそうですね…… 治療具と、そうですね……」と沈黙した後言った。「貴方達には無理かもしれません。しかし自分の身は自分で守らなければなりません。私が元居た国の刀と言う物の作り方を教えます。これならば余程強力な力を持った者で無ければ自分の身くらいは守れるでしょう。どうも中級魔族も召喚する将軍がいるとフラウ様から聞いていますから。刀については譲に聞いて下さい。」そして少しいらいらした様子で「譲達遅いわ……何かあったんじゃ。でも私には私にしか出来ない事がある!」
そう呟いた静香王は玉座の下の階段を探し始めた。どうもフラウから正確に場所を聞いた訳では無く玉座が動かない。「何処にあるのかしら?」
静香王は探しているうちにボタンの様な物を発見した。「玉座の裏側にあったのね。これを押せばいいのだろうか?」ボタンを押すと「ゴゴゴゴゴ」という大きな音を立て玉座が動き階段が現れた。