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転職
さぁ俺が出来るのはここまで付いてくる事だけだ。マーダの神殿はすぐそこさ。
そこで譲ちゃんの力が試される。ジョージは言った。
「ねぇ私セイントになれるかな?」譲は不安そうに呟く。
「あんたならなれるわ」後ろを振り向くとモリスがいた。
「あ、モリス!無事だったの?」
当然と言った顔で「侮らないでよね。それよりここからが正念場なの」
「うん…… 分かっているけど怖くて……」
「大丈夫さ譲ちゃん。君がこの世界に来た事、その運命は君が生きてきた歴史に全て帰結するんだ」
「さぁ、ここからは一人よ。頑張れ譲!」モリスが言った。
恐る恐る一歩づつ歩み始め二人との距離が離れていく……
譲は「必ずセイントになってみせるからね!」とジョージとモリスに叫んだ。
見守る二人。
距離が段々離れそしてじきにマーダの神殿の扉の前に立った譲はゴクリと唾を飲み込んだ。
時間が無い事は分かっている。とにかく今までやって来た事を全部出そう。