ファイナルアウト
静香王は王座に座って考え事をしていた。「フラウ様最近お声聞かないけど大丈夫かしら?」
そこにフラウが呼びかけてきた。
「静香さん……」
「フラウ様大丈夫ですか!」
「私は大丈夫。でもどうやらマルクが危機に晒されるのを止めるのは私には無理のようです」
「どういう事ですか?」静香王は問う。
「光の道エルクスを私が復活させなくてはいけなくなりました……ジルバはマルクに戦争を仕掛けるでしょう」
「え、そんな!」
「でも大丈夫。私が本気を出してもそれはあくまでコピーでしかないの。召喚術か魔導を使える人間にしかそれは渡れません。だからこそ危険なのですが……」
「私はどうしたらよいのでしょう、フラウ様」
「今まで隠していました。玉座の下を調べて御覧なさい。階段があります。地下へと続く。そこには王者の試練という洞穴があります。そしてそこでは時間の流れがこの世界の十倍遅くなります」
「そこで何をすればいいのでしょう?私は王として何でも致します」
「ファイナルアウトを習得するのです。禁術の類で私も使えません。それだけ高度な魔導です」
「ファイナルアウトとは……どのような効果があるのでしょうか?」
「あ、ごめんなさい。守衛が来たようです。後は大僧正から聞いて下さい」
『私からは真実は決して言えない。
あの子にそんな残酷な運命を背負わせるなんて事できるわけないの』
ファイナルアウトとはどのような禁術なのだろうか? それは実は大僧正も知らないが、フラウはいつかは静香王に伝えなくてはと考えている。それしか可能性はないのだ。例え危険でも……