古びた塔の最上階
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P.S.タグいじりました。
古びた塔の最上階、フラウ・アリス・ザックハルトは檻の中に監禁されていた。
丸腰の警備兵が「ほら、食事だぞ。さっさと食えよ。ああ、臭い。気持ち悪いな、お前は」と言ってスープを差し出す。フラウは相当衰弱していて何かを呟くようにしていたので気でも狂ったのだろうと最近は思われている。
「おい、貴様どけろ」「は?あ?ギューン様、フェルドナド様どうしてこのような所に……」「フラウは丁重に扱えとのシド様の直々の命令であろうが。殺すぞ」「あああ、申し訳……」その警備兵の首が飛んだ。「何て事を……この下郎。人殺し!」フラウは自ら命を絶とうとすら考えていたが、譲と静香の事を信じて諦めてはならない。耐えよう。そう思っていた。
「ふん。美しい顔も風呂にも入れなければ台無しだな。ゴミが言ったように臭くてかなわん」ギューンが言う。「高貴なお姫様がこのようになるとは思いもしなかっただろう?今日はお前に聞きたい事がある」フェルドナドが言った。
「何ですか!貴方達のような野蛮人と話す事など……」「フラウ貴様マルクの仲間に念を送っているだろう。不穏な動きだ。我々は領土拡大を目指している。その者達異世界から来たと言うではないか」とギューン。「シド様が仰っていたぞ。そろそろフラウを解放しよう。我との間に子供を作らなければな。愛人の中でもフラウが一番美人だからなと」「……」フラウは沈黙した後「まぁ話だけなら聞きましょう。一体私に何が出来ると言うのでしょう?」
ギューンとフェルドナドはしめしめと言うような顔をしていた。だがフェルドナドの言った事は真っ赤なウソで、ギューンはフェルドナドの肩をよし、という感じポンと叩いた。フェルドナドは口には出さなかったが汚らわしいこの愚か者と思っていた。全くもって野心家な2人だがシドは全てを見抜いている。フラウを監禁しているのはマリアードの記憶操作を消し去る力をフラウが持っているため止む無くの事であった。シドはそれだけ避けたいのであったが、いずれにしてもエルクスが復活すればシドにも都合が良い事なのでこの師団長達をあえて泳がしている、その真意はまだ分からぬ秘密だった。