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ギューンの真意
ふむ、今回の優勝者は何と女か。そしてあいつがシド様が可愛がっていると噂の……。
ボンゴ程度倒したからと言ってどうという事もないが。陰で観戦していたギューンは
口ではそう言っていたが若干脂汗を滲ませながら、夏の青空の様に蒼い瞳はぎらついていた。
「私の立場を脅かす存在?親に捨てられ武術一筋でここまで上り詰め幸せな家庭を築いたのだ。絶対に誰にも渡さんぞ。」
蒼い瞳をきょろきょろさせながら現在の師団の役割が微妙になってきていること、明らかに衰弱しその存在自体脆弱でいつ解体されるかも知れない事をギューンは非常に憂いていた。
せいぜい辺境に現れる雑魚のモンスターを数えきれないほどなぶり殺しにするくらいしか仕事のない現状は非常に面白くなく、その上不安材料であった。