ロビンの過去
間合いを詰めるマリアードとロビン。ロビンの弓の腕は先ほどの攻撃で相当の精度である事がわかる。
「私はねー」ロビンは大きな声で「両親が技術者だったの」
?
「そしてマギドPCによって男女融合術の実験の被験者にされたの。それが失敗して奇形になり自ら命を絶ったわ。シドは悪魔よ。でも私も小さい弟と妹を抱えてお金が必要なの。必死で腕を磨いたわ。そして賞金稼ぎになった。貴女には負けられないのよ。意地でも。大会で優勝すれば10年は食えるんですもの」
「私だってシド様のために負けられないわ。夢があるもの」
「じゃあ死んでもらうわ。ミリオンアロー!」
「!」一本の矢が軌道上で数十の矢に分裂した。マリアードは先ほどの試合の後、鎖帷子を装備し直していたので心臓には直撃しなかったが、右腕、太ももに傷を負った。「くっ……」
「足と利き手は潰したわ。楽に死・な・せ・てあげる」
近寄ってくるロビン。その刹那マリアードは左腕で弓の弦を切った。
「何ぃ!」「バカね私は両利きよ!」魔剣が光る。「雷の悪魔サンダラスの名のもとに呼ぶ。叫べ雷!」
ガガーン。雷の光がロビンを直撃した。「そんな馬鹿な。魔の力など感じ……」ロビンは黒焦げになってその場に崩れ落ちた。
じつはマリアードも魔剣にこのような力があるとは全くの予想外であった。
無意識のうちに放たれた呪文。しかし力はまだ微弱のようだ。ロビンは体力が少なかったので倒せたが……。大会が終わったらまた魔の力を吸収するか。
マリアードも魔力の力の副作用にまだ気づいてないようだ。
なにはともあれ決勝進出のチケットは手に入った。