準決勝
次の試合も着実に勝ち上がったマリアードは準決勝に進出した。かなり疲労が溜まっている。同じく勝ち上がって来ている第三師団団長ボンゴは不敵な笑みを浮かべながら「ふっ、あの程度の体力では準決勝も勝ち抜けまい。まぁ万が一があったとしても、フフフ。それにどうやら今回は相手が悪そうだ……」
相手は女弓使いのロビン。マリアードは思った。こいつもアーチャーの可能性がある。いや、ここまで勝ち進んでいるのだから間違いなく上位属性だろう、と考え事をしているマリアードのこめかみを矢がかすった。「う!?」
どうしたの?
試合は始まっているわよ。不敵な笑みを浮かべるロビン。どうやら対策を立てるのに夢中で審判の声が聞こえなかったようだ。「この小娘め」「どっちがよ」でかい声でお互いをけん制しあう二人。
ボンゴは「ははは、どちらが勝ち進んできても楽勝そうだな」と笑っていたがツーゥと冷や汗をかいたボンゴ。後ろにはギューンが立っていた。「これはギューン様……」「油断するのは結構だが師団の評判を下げる事の無いように」「は!」
ギューンは幽霊みたいに立ち去って行った。