シドの幼少期
シドはマルクから女をいっぱい連れて行った。英雄色を好むと言うが。大僧正は残念そうな顔で続けた。奴はたくさんの女と関係を持ったが子は一人しか成さなかった。その娘はマリアードと言う娘で大層美しかったそうだが流行り病で18の時死んだそうじゃ。
「何故エルクスが壊れたのにシドの情報が手に入るのですか?」俺は聞いた。「風の噂じゃよ。」そう言って大僧正はバツの悪そうな顔をした。俺は大僧正は何か隠している様に直感で感じたがまだ深く追求する時期ではないと思った。だが大僧正は訥々と語りだした。
それからじゃ。シドが変わったのは。何故シドの情報が分かるのかと聞いたな?シドは生まれながらに心臓が悪かった。それで、今は滅したクルムと言う医療班の中でも腕利きの治療師が手術をしたのじゃ。その時経過を見るために脳にマイクロチップを埋め込んだのじゃ。シドはその事を知らぬ。クルムはマルク派だったので儂の言う事を記憶していたのじゃろう。「あの男は危険だ。監視が必要である」と
そしてシドは性行為によってマルクで生まれた初めての忌子だったという衝撃の事実が明らかにされた。