くない使いマダラ
爆風の中から現れたマリアードに一瞬目を丸くする門番。
「来たか。準備は出来たか?」
「ああ」
ならばと屈強な門番がその両腕を使い二人がかりで漆黒の大扉を開いた。
360度広がるパノラマ……5000人は収容できそうだ。
「こっちに来い。対戦表だ」
一回戦の相手の名はマダラ。くない使いのようだ。名前の下に属性が書いてある。
「来るのが遅かったからすぐ試合だぞ。五分後だ」
くない使いか……。素早そうだな。ソードマスターにバトルチェンジしておいた方がいいかな。首をこきこき鳴らさんばかりに、また女かと侮るように武闘場の向う側で泰然としている男。
かなり痩せている。攻撃力よりもスピード重視だな。おそらく。この鎧も脱いだ方がよさそうだ。鎖帷子になるマリアード。胸の膨らみを見てニヤニヤしているマダラ。気に障るやつだ。
「それでは一回戦第三試合マダラ対マリアード。始め!」
試合開始早々くないを三本投げた後、爆炎に包まれるマダラ。
「しまった!」
ヒュン!くないをかわした後前を向いたまま右手で影を切りつけるマリアード。
「助かった。手応えあり!」
しかしそれは粘土の塊であった。剣が抜けない!
マダラは前方五メートル程の位置にいる。印を結んでいる。
「火津火波!」マダラがそう叫ぶと火の波が押し寄せてくる。
何とか避けたもののマダラの装備が変わっている。片刃の長い銀色の武器を鞘から抜き取った。
「アサシンか!」予想外だった。一瞬で間合いに入ってきた。焦るマリアード。
一閃! 鎖帷子が切れた。「くそ!」マダラ優勢のようだ。
シードの第三師団団長ボンゴは「ふむ、こんなものか。」と安息していた。