フラウ・アリス・ザックハルト
静香殿、頼みがあるのだ……。フラウ・アリス・ザックハルトは玉座から降り静香に語りかけた。静香を抱きしめるザックハルト。その瞬間「すっ」と静香の体を通り抜けた。「え、一体?」
「驚いたでしょう?実は私の本体はここにはいません。ジルバの統治者シドという男に囚われているのです」
また「すっ」と飛ぶように玉座に戻るザックハルト。真白いドレスがヒラリと揺れる。その顔は例えようもないほど美しく、静香は何となく下半身の熱を感じる。それ程の美しさ。まだ完全に自我が男にはなっていない静香が性器に熱を帯びるほどの美しさ。
ザックハルトは言う。「私はシドと結婚する運命のようです。そしてシドは忌まわしい遺伝子を私の中に植え付けようとしている」
ブルブル震えるザックハルト。ジルバでは当たり前の事のようですが、ちょっと恥ずかしくて言いづらいのだけど男と女が一つになることで子孫を残すのです。 ああ、エルクスがあった頃私はまだ子供でジルバにも行った事があります。シドはよく遊んでくれました。その時、ああ、あんな約束をしなければマルクは平和に隆盛を極めたでしょうに。私は言ったのです。
「ねぇシド私が大人になったら結婚してね。」と。
その時シドは笑って「僕には愛する人がいるけど、フラウは恋人だね。両手に花」そう言いました。その愛した人というのは今はちょっと言えませんが。結局その人とは別れたようです。そして……ごめんなさい」フラウは涙を流す。
マギドPCは知っていますか?あ、ゴメンナサイ守衛が来たようです。パルスを感じとられるので一旦眠ります。するとザックハルトは玉座に座り目を閉じている。
エルクスが無くなった訳は私から話そう。大僧正がそう言った。