ぺリス
そうそうシド様から「この世界の通貨だ。10万ペリスある。好きに使うといい」と言われたのだった。防具屋で品定めを始める。「なぁこの店で1番丈夫な甲冑が欲しいのだが。10万ペリスで買えるかね?」
防具屋のオジサンとオバサンは同時に「なんですと!貴方は何処かの貴族か?」と驚く。
何の事だろう?
オジサンとオバサンはこの店で1番高い黄金の甲冑でも2千ペリスですよと言った。クロスと呼ばれて魔力を反射するとの言い伝えがある聖衣ですと。
「シド様ってお金持ちなのね……。一体何で稼いだのやら。じゃあそれ頂戴」
「分かりました。でもかなり重量がありますよ。試着していきますか?」
「まぁそうだな。いくら防御力が高くとも動けないのでは仕方が無い。どれどれ」奥の試着室で暖かい素材のインナーとパンツの上から甲冑を身に着けた。すると……
「う!重い。」マリアードはその場にしゃがみ込んだ。
「どうでございますか?」オジサンは聞く。
「凄い重さだな。男物か」
「まぁそうでゲスが、貴方の体の左側に挿してある剣、かなり血を吸って魔力を蓄えているようだ。疾風丸という薬があります。それを飲むと魔力に反応して鎧が軽くなると思うでゲス」
「ゲス、ゲス……」五月蝿い親父だ。まるで私が下賎の者のような気がしてくる。
「その疾風丸というのは?」
「はい、近くの道具屋に売ってると思うでゲス。一粒百ペリスくらいでしょうかね」
「そうか……」時間が無いが寄って見る事にするか。
しかしこの防具屋凄くボロいが信用出来るのかね。マリアードは少し不安を覚えながら書いてもらった地図を見て道具屋に向かった。