大僧正
苦しいなぁ、苦しいなぁ、誰だ俺の首を締めるのは…… 苦しいよ、止めてくれ、目を開けてみると健人?の幻影。夢を見ていたようだ。
うわ、唇が……。俺の顔のすぐ近くには美しい女性の顔があった。「一体何ですか?」俺が叫ぶと「よしキューア隊、簡易ポッドにすぐ運ぶんだ。」「はい、ケアマネージャー様。」
横を見ると静香が横たわっていて男と唇を重ね合わせていて「ビクッ」となって意識を取り戻した様子だったが、俺はファーストキスを奪われ頭も混乱。簡易ポッドって何?という感じだった。
ストレッチャーらしき物に乗せられて運ばれていく俺。そこには中に水のような物をたたえた縦型で楕円形の入れ物が5台並んでいて1番左の入れ物にキューアと呼ばれていた2人の男女に肩を抱えられ中に入れられた。
何だか知らないが呼吸が楽になり気持ちが良い。一瞬辺りに光が走った……。
え?俺……切った筈の髪が肩のくらいまで伸び、胸はスイカでも巻き付けられた様に重い。これはなんだ?
2人のキュ-アが突然恭しくお辞儀をした。「大僧正様。マルクの辺境で見つけた静香様のお連れの方です」
大僧正と呼ばれた頭が丸刈りのお坊様みたいな背の異常に高い僧侶服を着た男は「ほっほっほ。」と笑った後、「うーんこれは凄い。W属性じゃ。ケアマネージャーに、何とプリーストか。素晴らしい事だ。しかしええ体しとるのー。」鼻の下を伸ばしてそう言うので、俺は何事かと思い自分の姿を見た。!!! 体が女になってる。しかも裸だ。俺は慌てふためいてポッドから出て、素っ裸でさっきまで昏睡していた病室のような所に戻った。すると入れ替わりに静香がストレッチャーらしき物に乗せられてポッドに入る所だった。