健人の行方を本格的に追う2人
「お母さん私行ってくる」
「静香……」
「私の家の家系の秘密、シリウスとコレア、お祖母ちゃんがいなくなった理由、色々知りたい事がある。この人達について行けばその秘密が解けそうな気がするの。」
「もう戻って来れないかもしれないわよ。」
「うん……私人助けがしたくて今の大学に入ったの。でも心の奥底では有名になりたい、もっと力が欲しいって心の底で思ってたのね。王様になりたいわけじゃないけど、もっともっと広い世界が見てみたいの。」
騎士風の男が「私たちの国は意外に狭いですけどね」と言って隣りの女と笑った。
「譲も来るわよね?シリウスで見たあの風景。男が一人いたけど目の色が緑と赤だったわ。きっと力を持つ者だと思うの。健人たぶんさらわれたんだわ。」
俺は静香の今まで見た事の無い、そう今まで2割くらいしか見てなかったものが10割見えた様な気がして苦笑いを浮かべたが、「そうだな、男手もまだ必要だろう。」
「……」白い鎧を来ている異世界の者達は少しバツの悪そうな顔をして、さぁ静香様、と促した。
「わかってます。」「譲シリウスとコレアに触って。」
言われるまま触った。静香は「汝千里を駆ける馬、昇って消える太陽、月光の奥ゆかしさの元に我々を導きたまえ。」と唱えた。
緑のシリウスと赤いコレアが輝いたと思うと2人はヒュンと消えた。
「よし我々も戻るか」その時静香の母が言った。「静香をよろしくお願いします。」「もちろんです。あの方は我々の希望ですから。」
異世界の者達は皆一様に笑顔を浮かべ言った。