新・マリアード
ポッドの中に入った健人。「なんだろう凄く落ち着く。」
シドが言う。
「羊水のようなものだ。新たに生まれ変る為に必要な物。フフフ、私の実験の成果」
キラキラと輝いた後……健人の姿が変わった! 漆黒の長い髪、大きな胸、スレンダーな足。ドレスのような物を着ているが、触ってみると鎖帷子のようだ。肩や二の腕、太腿等にもチタンのような防具が付いている。
「予想通りだ。健人君。君の属性は剣士だ。これからはマリアードと名乗るが良い」
「はい、シド様。」女の声だが何ら違和感が無い。まるで初めからこの体の中に魂が入っていたのではないかと錯覚するほどだ。
シドは思った。「しかしまさか1000分の1程の確率でしか現れない剣士の属性がこの子だったとはな。思ったとおりだ。マリアード待っていろ。今に必ず、フフフ……」
「シド様、私は何をすれば良いのでしょうか?」
シドは空ろな目で左目の緑と右目の赤がキョロキョロし何か考え事のようで声をかけるのが躊躇われたが、「そうだな。まず練兵場に行きなさい。下級種族のゴブリンが沢山いるから好きに斬って構わない。食べても美味だぞ。」
マリアードは一抹の不安と不気味さをシドに感じながら言われたとおり練兵場に行く事にした。