異世界の現状
「え?何の事?」静香は素っ頓狂な声をあげるしかなかった。
「貴方達何者?この世の者達ではないようね。」静香の母にはそのもの達の一風変わった気配が感じ取れるようだ。
俺はただびっくりするだけだった。静香は女だし、女帝になるって事?突然すぎてその話の信憑性について思い巡らせる判断能力は失われていた。
その者達は続けた。シドに対抗できるのは貴方達の持っているシリウスとコレアだけだと。
そして私たちの世界は、今極めて低い文化レベルにあります。それはシドがマギドPCを独占しているからなのです。昔は国は二つには分かれていなかった。
しかしシドが彼は千年は生きているのですが、時折人間界に降り立ち、属性というものを持つ人間を連れてきてジルバ、ああこれはシド達が暮らしている方の世界の名前です。ジルバの戦力としているのです。戦争をしているわけではありませんが、属性を持つ人間が多い方が豊かになれるのです。貴方達の世界でも何処か異国の地に工場を建てたりしてコストを削減するでしょう? ああ、私たちの国はマルクと言います。先程言った様にマギドPCが占拠されているので国交はありません。かつてエルクスという光の道が二つの国を繋いでいたのですが、それは今遮断されているのです。
続けて貴方達には属性があるようです。ミニポッドに入るまではどのような属性かわかりませんが必ず私たちの力になりそうです。
少し考えて頂いてもしよろしければシリウスとコレアの力を解放して下さい。私達の国に転送されるでしょう。その二つの珠には意志があるのです。
静香も俺もまるでイリオモテヤマネコでも見つけたかのように唖然としていた。静香の母だけが何やら呟きながら思案に耽っていた。その者達は一瞬の内に消えた。