静香の母に告げられたのは。
静香の家に着いた。広い庭は松などが植えられていて日本庭園の雰囲気を醸し出している。
「本堂に行きましょう。」
「あ、お母さん……」
静香がそう呼んだ女性は白装束に身を包んだ美しい女性だった。
「コレアが急に光りだしたの。どうしたのかしら。」
「シラレスを使ってみる。健人が何処にいるのか。」
「健人君?高校の卒業式から行方不明なのよね?」
「ええ……」
静香はシラレスを台座に置きじーっと眺めてあぐらを組んだ。
「譲こっち来て。見える。」
暴力団の事務所のようだ。人がたくさん倒れている。男がいる。左目が緑で右目が赤の白髪、真っ白だ。上から下まで。目を除いて。
「あ、健人!」少々容貌が変わっているようだが、間違いなく健人だった。
二人で何か飲んだかのように見えたかと思うと同時に「ヒュン」と二人は消えた。「健人!健人!」静香が叫ぶ。
静香のお母さんが言う。「誰かいるわ。屋敷内に。気配を感じる……」
それはあの大学の講堂で見た白い鎧のような物を着ているこの世界では全くありえない、
前と同じ様に少し空中浮遊している彼、彼女らだった。性別の区別がよくつかないが。
寄ってきて「邪悪な者達ではなさそうね。静香、譲君、安心しなさい。私は少し呪術を使えるし」そう言う静香のお母さんにその者達は言った。
静香様はいずれ私たちの王国で王となるお方なのですと。