表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
テイルズオブサイレンス  作者: 敬愛
動き出した歯車 ~シラレスとコレア~
23/100

城戸組の事務所

 鬱蒼と雑居ビルが生い茂る街の中心部、一階にサラ金、二階に雀荘、三階にマッサージと称した風俗店が入っているビルの前に健人はいた。このビルの四階に城戸組の事務所がある。


 健人はエレベーターの中で誰かと一緒になれば不安で吐きそうになる事を懸念して、四階まで階段を使った。


 安っぽいスニーカーが階段を一段登る度にネチョネチョと嫌な音を立てているような気がした。軽い目眩で自分が上に行っているのか下に行っているのかわからない、地獄に向かっているのではないか。そんな錯覚を起こさせた。


 四階、三つテナントがあるようだったが、中央の一部屋以外は空き室のようだった。その中央の部屋には何も表示はなかったが、人の気配とラジエーターの回る音がした。


 健人はゴクリと唾を飲み込んでから懐のピストルを確かめドアノブに手をかけた。「ガチャリ」


 鍵は掛かっていなかった。


 健人はドアを開けた。ピストルを片手にしながら。


「白石組系霊王会の愛田健人だ!城戸は何処だ!」


「!」


 健人は驚いた。十数人の組員と思われる人々は三十畳はあるだろうか、その畳の上に座布団を敷いて座りながら寝てる…… 嫌死んでる!


「健人君待っていたよ。」


 その声は顔はシドだった。


 「シド様一体これは……」


 「前世のカルマか、今世のカルマか。みんな死んでしまったよ。デモンズティアを飲んでね。君がくる事はわかっていたから。」


 そういうシドの瞳は左目が緑に右目が赤に輝いていた。


「この子達も連れて行こうと思っていたんだけどやっぱりダメだったみたいだ。」


「健人君、君だけでも連れて行くよ。大丈夫、前言っただろ。この薬を飲めば自分の進む道が開ける。思い通りにね。」

「さあ……」


 健人はシドの瞳に吸い込まれるようにその薬を鼻から吸った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ