愛と、炎〈ホムラ〉
僕は、夢を見た。どんな夢かって? 何とも言えないけど、限りなく悪夢に近い夢だった。
今日は、何が起こるんだろう。ホムラも加わり、にぎやかになった。そして、ホムラからお願い事がきた。
どんな内容かと思うと、意外と楽そうな依頼で……でも、その油断はリクを、直ぐに裏切った。
そして、マイの中に眠る力が目覚めた。
「異世界の探偵さん」読んでください!
僕は夢を見た。
炎に包まれていたのに温かく、■は良い夢で安心していた。
夢かもわかんない。前世の記憶か?
膝枕をされていた。
甘く、とろけてしまいそうなほどに……
僕は■■に◇◇されていた。
「……ずー■と一■だよ■ ■◆」
「うわぁっ⁉」
今はあやふやなんだが、悪夢を見ていた気がする。
でも何だろう……体が熱いとかじゃない、冷めきっていた。
「さむっ」
僕たちは早速依頼主を呼び、猫を取り返したと、報告と猫を渡した。
「ありがとう! お兄ちゃん!」
「どーいたしましてー」
そのあと、聞きたいことがあったのでホムラに尋ねてみた。
「そういえば、何で猫なんかとったの?」
「この世界に来て、久しぶりに見たかったから。でもこんなことするとは……ごめん」
ホムラは部下をボコしながらこちらに謝ってきた。こんなにしなくてもいいのにな……
「それとリク、だっけ。お願いがあるんだけどさ……」
「うん」
リクは内心こう思っていた。これは絶対また面倒くさい展開になる、と。
なぜならリクのもとに届く依頼は今まで面倒くさい内容の、しかもその割には難易度が高すぎる依頼が多かった、しかもなんかその事件のたびに仲間が増えていっているような気もする。
ーーーー本当に大丈夫なんだろうか……
「一緒に炎鉱石を探して!」
「え……」
まさかの意外と楽そうな内容のお願いだった。しかも鉱石探し。これはできそうな予感がした。
「でもそういえば何で?」
「実は炎鉱石は魔法の威力アップが基本なんだけど、実は新魔法の生成にも使えるらしいの。
だから、ここ近くの洞窟で探したいんだ」
炎鉱石。この世界には鉱石というものが存在していて、水、土、炎、雷の4つがあり基本的には、
ホムラの言ったとおり魔法の威力、精度が上がるという貴重な鉱石であり、新魔法や町などの設備に
も多く使われている。
確かに、ホムラはこっちの世界に来て日が浅いと言っていたし、この方法は良いのかもしれない。
「じゃあ洞窟で探そっか! マイも来れる?」
「一応いけますけど……」
そうして僕たちは、近くの(エンデ―ド大聖洞窟)へと出発した。
ここが洞窟か。思ったよりでかくて、家が何個かは入る大きさだった。果たしてこんな洞窟で、貴重な
鉱石など見つかるのだろうか。
「ひとまず探してみよっか」
「わかった!」
「わかりました」
こうして、一時間が経ったのだろうか。まったくもって見つからない。別にデカい鉱石を探しているのではないが、かけらすら見つからない。もしかして、とりつくされたのでは?
「リクー! 見つかんないよー」
「こっちもです」
「やっぱりか……」
では、少し危ないけど、こうするしかないのか……
「最下層に行こう!」
『えっ』
なんか面白いな。ホムラとマイがおんなじ顔で、同じセリフを言っているんだもん。
リクは思わず笑ってしまった。
「ここが最下層かー」
あたりは暗く、でも、鉱石はたくさんある。 これ売れば一攫千金じゃね⁉ って思ったのは言わないでおこう。
「あっ! 炎鉱石あった! 地下まで潜ったかいがあったね」
「でもなんか変じゃない? 誰もここまで来てないってことは……」
その瞬間ホムラは炎で吹き飛ばされた。ホムラは失神してしまった。
そこから現れたのは、俺たちよりも強いと見られる、炎をまとった大きい熊だった。
「リクさん! あれって(火熊)ですよ⁉」
そういうことか……。誰も来なかった理由は、こいつがいて、炎鉱石を食っていたからだ。
だったら倒すしかない。多分これ以上狂暴になったら、この洞窟が壊れかねない……
「水弾!」
火熊に触れた瞬間、水は蒸発した。高温すぎて消化はできないってことか。
「だったら火炎!」
ー効かない⁉ しかも余計に強くしてしまった。何やってんだ僕は……
そこにマイが一発当てた。
「魔力弾! 当たりました!」
でも効いていない。 そこに火熊の一撃が入った。
「ぐはっ……」
リクも吹っ飛ばされた。リクはまだ意識が残っていた。死にそうになってはいたが。
「なにこれ、これが痛みなのかよ……」
いつもの痛みとはかけ離れていた。全身が熱い。痛い。死にそう。動きたくない。意識が遠のいていきそうなほどだった。
「なんですか……この感覚、感情。何かを忘れているような……っ⁉」
マイは苦しそうに頭を抱えていた。もしかして、(アレ)を思い出したのだろうか。
助けたい。でも動けない……。
気が付くと、私は暗闇の中にいた。そして目の前には、リザがいた。
「久しぶりだな。マイ」
「あなたは、私の先祖と同じ名前の……」
リザは静かに、問う。
「お前は、救いたいものがあるか?」
マイは、静かに答える。
「あります」
「何だ?」
「リクです」
「あいつか……お前にはその力は使いこなせるのか?」
「何がですか?」
リザが指を鳴らすと、マイの手から炎が出てきた。
「これだ」
「何か見覚えがある。うっ……これって」
マイが少し頭を抱え、何かを思い出した。まるでなかった記憶が無理やり埋め込まれた感覚だった。
不快だけど、思い出さなければいけないという使命感もあった。
「っ……思い出しました。でも、この力、炎はなんですか」
リザは少し笑いながら答えた。
「あいつとおんなじ回答じゃねぇかよ!その力は、俺の■であり■◆だった奴の力だ」
「えっ……本当ですか。でも今は関係ないですね。いってきます」
「あぁ」
後ろ姿は可愛げがありながらも凛々しく、かっこよかった。
「惚れた理由ってこれだったのかな……」
マイは目を覚まし、状況を確認していた。後ろを見ると、リクが火熊にやられそうになっていた。
「もう……ダメかもな」
僕は、全部をあきらめ、マイとホムラが生きてくれることを祈ることしかできなかった。
その時、マイが僕の前に出て、火熊の攻撃を防いでいた。
でもなぜだ? と思いマイの手を見ると、マイの手には紫のような桃色のような炎で包まれていた。
「それって! まさかあの力を解放したのか⁉ 大丈夫なの?」
マイは笑顔で
「はい!」
元気に答えた。でもその顔は笑顔だが少し勇気に満ち溢れたような凛々しい顔つきだった。
僕自身もマイになら任せられると思った。
「行きます! 愛炎拳!」
その拳は火熊の胴体を貫き、炎も消えていた。
その瞬間……
「ソレハ、シットノ……リザ様ノ! アナタノテデケシテクダサリ……」
そう言い放ち、火熊は灰になって消えた。
「何が嫉妬ですか! 失礼な奴ですね。これは愛です!」
マイが咄嗟にツッコんでいた。愛って、誰に向けてのだろう。
でも火熊という脅威が消えたのか、僕は倒れこんでしまった。
「リクさん⁉ 大丈夫で……」
あぁ、マイが心配してくれている。大丈夫だよ。僕は最後に聞こえた声に心の中でそう答えた。
目が覚めると、探偵事務所にいた。多分マイが運んでくれたのだろう。
「マイ、ありがとう」
マイが少し戸惑いながら僕に言った。
「いいえ、ホムラさんが運んでくれました! 実は見苦しい事に私もその時倒れてしまったんですよ」
でもどうやって? ホムラの体格的に僕とマイの2人を運ぶのはほぼ不可能だ。
そう考えていると、ホムラが
「実は、火熊が消えた時、大量の炎鉱石が出てきたの。それで新魔法を作れたの! これで、酸素さえあればどこにでも移動できるようになったんだよ!」
ホムラは自慢げにみんなに話してくれた。でも、これは使える。なぜなら、この魔法は、依頼主のもとへ
すぐに駆け付けることができるから、急ぎの依頼でもタイムロスがなくなる。
「ホムラ、よくやった! ありがとう!」
「べべべ別にいいわよ⁉ 私だってこのお荷物2人を運ぶのは無理だったんだから」
ホムラは少し照れ臭そうに話してくれた。
「マスター、また依頼来てるぞ、ええと、差出人は、リサ⁉」
「え……なんでリサから……」
こんにちは、小説投稿が遅れた作者・たぬきうどんです!
話の構成考えたらもう夏。夏休みって何なんでしょうか?
小学生だけじゃないですか! 休めるのって。
夏は暑さに負けず投稿したいです。