表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/8

オープニング

(壮大かつ少しコミカルなテーマ曲が流れる。ピタゴラスの定理、ヘーゲルの書物、曹操の剣、キルケゴールのペンなどが時空を駆け巡るようなCG映像。最後に番組ロゴ「歴史バトルロワイヤル」が大きく表示される)


(映像が切り替わり、スタジオへ。コの字型に配置された重厚なテーブル。背景には番組ロゴ。中央に、可憐な佇まいながらも芯の強さを感じさせる司会のあすかが立っている。対談者の席はまだ空いている)


あすか:「時空の波間からこんばんは!そして、ようこそお越しくださいました。ここは、歴史のとばりの向こう側、忘れられた物語の声が交差する場所。わたくし、案内人を務めます、あすかと申します」(にっこりと微笑み、優雅にお辞儀をする)


あすか:「さあ、今宵も始まりました『歴史バトルロワイヤル』!この番組はですね、歴史にその名を刻みし偉人たちが、このスタジオに時空を超えて大集結!たった一つのテーマを巡り、それぞれの知恵と経験、そして魂をぶつけ合う、前代未聞、空前絶後のトークバトルでございます!」(少しおどけたように、しかし楽しそうに説明する)


あすか:「さて、記念すべき今回のテーマですが…うーん、これはまた、人類が永遠に問い続けてきたような、深遠なる問いが届きましたね…」(手元のカードを見ながら、少し考える表情)


あすか:「ずばり、『究極の真理とは何か?』」(カメラに向かって、きっぱりと言い放つ)


あすか:「…真理、ですか。辞書を引けば『いつどんなときにも変わることのない、正しい物事の筋道』なんて書いてありますけど…じゃあ、その『正しい筋道』って一体何なんでしょう?世界を成り立たせる数の法則?歴史を動かす大いなる理性?それとも、この厳しい現実を生き抜くための力や知恵?いやいや、個人の心の中にある、揺るぎない信念こそが真理…?」


あすか:「考えれば考えるほど、頭がこんがらがってきちゃいますよね?でも、ご安心ください!今宵は、この難問に真正面から挑むべく、歴史上、最も『真理』の探求に人生を捧げたと言っても過言ではない、超ド級の論客たちが集結してくださいました!皆さん、予習もバッチリとのことですから、これは激論必至ですよ!」(期待感を込めて、空いている席を見渡す)


あすか:「それでは、お一人ずつ、わたくしがご案内いたしましょう!まずは、古代ギリシャよりお越しのこの方!万物の根源に『数』を見出し、宇宙の調和を探求された、知性と神秘性を兼ね備えたミスター・パーフェクト!ピタゴラスさんです!どうぞ!」(ピタゴラスが現れ、席に向かうのをエスコートする)


ピタゴラス:(厳かな足取りで現れ、周囲を静かに観察するように見渡す。特に他の空席を一瞥し、あすかに軽く頷き、席に着く)「…ミスター・パーフェクト、とは些か俗な呼び名だが…まあよかろう。招きに応じ参上した。この場に満ちる波動…ふむ、興味深い。」


あすか:「(小声で)わ、ちょっと威圧感ありますね…!ありがとうございます、ピタゴラスさん。続きまして、近代ドイツ哲学の巨星!歴史は『絶対精神』なるものが弁証法的に自己実現していくプロセスなのだ~、と、ちょっぴり難解、いえ、壮大な世界観を打ち立てられました、ドイツ観念論のラスボス的存在!ヘーゲル先生、どうぞ!」(ヘーゲルが現れ、ピタゴラスとは対照的な、やや学者然とした足取りで席に向かう)


ヘーゲル:(軽く咳払いをし、知的な視線でスタジオを見回す。ピタゴラスに軽く会釈し、席に着く)「ウム。ラスボスとは面白い表現だが、否定はしまい。この歴史的邂逅(かいこう)もまた、絶対精神の現れの一つであろう。諸君との対話、楽しみにしている。」


あすか:「先生、いきなり難解ワードありがとうございます!(笑)よろしくお願いいたします!さあ、お次は!時代も文化もガラッと変わりまして、後漢末期の中国、戦乱の世からお越しいただきました!『治世の能臣、乱世の奸雄(かんゆう)』と呼ばれ、現実を見据えた知略と決断力で、新たな時代を切り開いた覇者!ある意味、最も生々しい『真理』をご存知かもしれません!曹操閣下、どうぞ!」(曹操が不敵な笑みを浮かべ、堂々とした態度で現れる)


曹操:(他のメンバーを一瞥し、特にピタゴラスとヘーゲルの前でわざとらしく足を止め、鼻で笑うようにしてから席に着く)「奸雄とは、手厳しいご挨拶だな、小娘。まあ、どう呼ばれようと構わんが。ふん、『真理』だと?この曹孟徳の前で、青臭い戯言をいつまで続けられるか、見物させてもらおうか。」(挑戦的な視線を他の対談者に向ける)


ピタゴラス:(眉をひそめ、曹操を静かに見据える)

ヘーゲル:(興味深そうに曹操を観察する)


あすか:「ひぇっ…!閣下、いきなり宣戦布告ですか!?さすがです…!(汗)さあ、そして最後はこの方!『おお、ヘーゲル先生!』でお馴染み(?)、いやいや、『真理は主体性である!』と、組織や体系よりも、個人の内なる選択と情熱にこそ価値を見出した、デンマークが生んだ孤高の思想家!実存主義の扉を開いた、ちょっぴりナイーブ?でも熱いハートの持ち主!キルケゴールさん、どうぞ!」(キルケゴールが少し緊張した面持ちながらも、強い意志を感じさせる瞳で登場する)


キルケゴール:(ヘーゲルの席を意識しつつ、しかし正面を見据えて席に着く。やや早口に、しかしはっきりと)「…ナイーブかどうかはともかく、招かれた以上、私の信じる真理について語らせていただこう。そう、真理とは客観的な知識などではない!この私が、この瞬間、いかに選択し、いかに情熱をもって生きるか、その主体的な決断の中にあるのだ!」(拳を軽く握りしめる)


ヘーゲル:(キルケゴールの言葉に、ふむ、と頷きながらも、やや複雑な表情を見せる)

曹操:(面白そうにキルケゴールを見ている)


あすか:「ありがとうございます、キルケゴールさん!その情熱、しかと受け止めました!」(パチパチと拍手)


あすか:「いやはや、皆さん、揃いも揃って…濃い!本当に濃いですね!古代ギリシャの数学者、ドイツの大哲学者、中国の覇者、そしてデンマークの実存主義者…!よくぞまあ、このメンバーが一堂に会したものです!時空修復師の皆さん、本当にグッジョブです!ちょっと心配になるくらいの組み合わせですけど!(笑)」


あすか:「さて、選手の紹介(?)も終わったところで、いよいよ議論開始とまいりましょう!テーマは再び申し上げます。『究極の真理とは何か?』数か、理性か、実利か、主体性か…それぞれの立場から、存分に語っていただきましょう!歴史バトルロワイヤル、いざ、開幕です!」(高らかに宣言し、議論の開始を促す)


広告:

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
 うわっ⁈ 本当にCMやってる。  前に冗談で奨めはしたけどこうして受け入れてもらえるとは……。  スポンサーはピタゴラス教団?  番組(?)が彼らへの忖度に傾かなければ好いのですが……。(笑)  い…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ