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6.哀れな親友とそのめんどくさい彼女


「───で秋人、どういうことなんだ?付き合ってるのか?」

奏はなにかを探るような目で俺たちを見て聞いた。


実は、奏の言っていたバイトとはここだったらしく、品出しをしている最中に俺たちを見かけ話しかけてきたらしい。


「付き合ってない。親同士が仲がいい幼なじみだ」


「ふーん...遠藤さんはどうなの?」




「佐伯さん、私たちは秋人くんの言っていた通りまだ、ただの幼なじみです。」


俺はその"まだ”に少し疑問に思ったがとりあえず奏に続けて弁明することにした。


「そういうことだ…俺たちは奏の思っている関係ではないぞ」





奏はチラッと優の方を見てから、


「そういう事か...はぁ、秋人お前...」


奏は何かを理解したように急に納得した顔になったと思えば俺を見て困ったなぁと呆れた様子で首を横に振った。。


「なんだ?」


「いや、なんでもない。じゃあ俺は仕事に戻るわ

また明日学校でな」




少し疑問は残ったが仕事をこれ以上邪魔する訳にはいけないので、俺たちもその場を離れることにした。




家に着くと、奏にバレたからか、精神的に結構疲れたような感じがした。


「バレちゃったね」


「あぁ...そうだな。でも、バレたのが口が堅い奏で良かった」

「そうだね」


そして俺たちは夕食を済ませ、優はいつもより少し早く家に帰った。俺は疲労が溜まってたのか早めにベッドに入るといつの間にか寝ていた。




翌朝、学校に着くと奏が少し申し訳なさそうな目で見てきた。


「どうしたんだ?」

俺は気になり聞くと、


「本当にすまん! 実は...昨日バイトを終えて用があったから葵に会ったんだけど、その時に何かに気づいたみたいで何があったか問い詰められたんだ...そして...」


「話した訳か...」


「そうなんだ。本当に申し訳ない...!」


実は、奏には水瀬葵という彼女がいる

しかも、学校では周りを気にせずイチャついているので結構有名なカップルだ。


「まぁそれならしょうがないな...」


俺は奏の彼女とも中学からの中なので、優と同じくらいかそれ以上のめんどくさい性格の持ち主だと知っているので、少し知られるのは嫌だが問い詰められた奏想像して哀れに思った...


「あと、放課後時間あるか?」


「あぁ、あるけどどうした?」


「色々聞きたいことがあるからさ」

彼は、さっきの暗そうな表情とは一変に少しニヤケながら言った。


「行かないとダメか?」


どうせ根掘り葉掘り聞かれそうなので断ろうとしたところ


「昨日のこと親友にまで黙ってたのに逃げるのか...?」


奏は昨日の件を持ち出して問い詰めてきた。


「それを言うのはずるいぞ...」


そのことを持ち出されると引き下がることが出来ないのでとりあえず行くことにした。




「秋人と奏と優、いるー?」


隣のクラスから葵がクラスの他の皆が居なくなったのを確認してから顔を出してきた。




「秋人と優、私に幼なじみで今もすごく仲良いの黙ってたなんてひどいよ〜!」


実は、俺が1番バレたくなかったのは彼女だった。

なぜなら、気になったことは、分かるまでずっと聞いてくるので隠し事が全く通じないからだ。


「あぁ...悪かった。学校でバレるとめんどくさい事になりそうで嫌だったんだ」


「葵さんごめんなさい。隠してたつもりではないんです」

俺と優は黙ってたことに謝った。


「まぁ...いいよ!この後奏と私で詳しく2人に聞くから!」


「ほどほどで頼む...」


「とりあえず今はこれだけ!2人は付き合ってるの?」


「付き合ってない。ただの幼なじみだ..」


「.........付き合ってないです」

優は気持ちが落ちた声で言った。


葵は優を見て少し納得した顔で

「あ〜そういうことかー」


「奏の言う通りだね」


と言った。


「だろ?」


「なんの事だ?」


俺は奏と葵に疑いの目を向けながら言った。


「いや、別に悪いことは言っていないから安心してくれ」


2人揃ってなにに納得したのかが分からないのがパッとしないため、安心出来ないが教えてくれそうにないため、話を続けてもらうことにした。


「ってことで!優は私が連れてくね!」


「え?」


優は、少し戸惑った様子で俺を見てきた。

それに。俺は少し諦めた表情で


「優、諦めろ...もうそうなった葵は止められないのしってるだろ?」


「そんな...」


優は断る間もなく、葵に連れてかれた。


「ああなった葵はもう誰も止められないからな...」


奏は何かを思い出したのか遠い目をしていた。














次の回は奏との会話から入ります

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