4.少し変な幼なじみ
まだ、瞼が重く外もまだ朝日が出かかっている時間、今日は日直でみんなより早く来なければ行けなかったので学校に来た。
日直の仕事を終え、俺は、朝のホームルームが始まるまで今日の授業の予習を始めようと、教材を広げようとしたところ、教室のドアが開く音がした。
まだクラスのみんなが来るには少し早いなと思いながらその方向を見ると見慣れた顔の女の子がいた。
「おー!いたいた!おっはよー!秋人」
彼女は元気に手をあげながら挨拶してきた。
「なんでいるんだ?」
彼女を見て真っ先に思った。
「だって朝、秋人の部屋に行ったら誰もいなくてさーどこだろうって思ったら秋人今日日直じゃん!ってなってここに来たわけです!」
「いやいや、全然理由になってないから」
「てか、今人来たら、俺たちの仲がバレて絶対めんどくさい事になるから!」
「学校は疲れるからさ、気が休める秋人とかに会わないとやってられないんだよ」
彼女はそう言うと、俺の前の席の椅子を後ろに向け俺の机の上に頭を乗せてきた。
「ねむい、 秋人少し寝かせて 」
「お前なぁ少しは危機感をもってくれ」
俺の言葉を聞かず優は静かな寝息を立てて寝ていた。
起こすのは少し可哀想なので誰かが登校してくる少し前に起こしてあげることにした。
「優…起きろ」
「ん……んわかった…」
彼女は半分寝ている声で応えた。
すると、優を起こした少しあとにドアが開く音が再びした。すると、優の友人なのか彼女を見て
「遠藤さんおはようー」
と言い、彼女もそれに返した。
「おはようございます。」
優のさっきまでとの様子の違いに少し驚いたが、流石の切り替えだなと心の中で感心に思った。
優の疲れる理由としては、この切り替えが原因なんだろう…
午前の授業が終わり、昼休みに入った時、俺は奏と話していた。
「秋人って好きな女性のタイプとかあるのか?」
「どうした?急に」
「いや、秋人って中学の時から色恋沙汰の話が全くと言っていいほど出なかったからさ」
まぁこんな根暗オタクのような奴を好んで彼氏にするやつなんて居ないだろう。
「もしかしてそういうことに興味ないのか?」
「いや、そういうことでは無い」
「じゃあ好きなタイプとかあるのか?」
「んー……」
すると、後ろの方から視線を感じた。
気になって、その方向を見てみると…優がこちらをチラチラ見てきていた。その瞳には好奇と警戒の光が潜んでいた。
しかし、俺が見ている事に気づいたのか彼女はスっと目を逸らした。
「ん?秋人どうした?」
「いや、なんでもない」
「タイプだよな…んー笑顔が素敵な人かな」
そう言ってさっきこちらを見ていたので少し優の方を見ると、何故か優は両手の人差し指を使って口角を上げていた。
「へー秋人は女性の笑顔に弱いのか~」
「彼女が出来ても奏には絶対に言わない」
「冗談だって!」
『クラスで鉄壁の聖女様と呼ばれている俺の幼なじみ実は裏では超甘えん坊な件について』
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