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12.後夜祭


俺たちが通っている北條学園では、文化祭最終日の夜に生徒たちだけで後夜祭を行うのが恒例らしい。

そこでは、男女のフォークダンスや、歌などの生徒たち主催の催しを楽しむことができる。


「皆さん!今年も文化祭お疲れ様でした!今は思いっきり楽しんでください!」

生徒会長の一言で会場の全員が盛り上がる。

それを機に曲が始まりみんなが男女ペアが踊りだした。

あるクラスの男子の一人が優に手を差し出した。

その周りの他の男子も優の方を見てソワソワする。

「すみません 踊りたい人がいるのであなたと踊ることはできません」

優は真っ直ぐとした目で丁寧に断る。


『おい、まさか……遠藤さん付き合ってるのか…?』

『まじかよ…相手誰だ?』

優がそう言った途端周りがざわつく。


優はそれを言った途端走り出して俺の所へ走ってくる。


「お待たせ!」

優は何事も無かったかのように笑顔で言う。


「誘われてたみたいだけどいいのか?」


「うん!私は秋人と踊りたいんだよ」


「え…?俺とか?」


「だめ……?」

優は少し自信が無いように上目遣いで言う。


「いや……だめでは…ない」

その誘い方は反則すぎる...


「やった!じゃあしっかりエスコートしてね」

優は、信頼を俺に向けたような優しい目を俺に向け、利き手をだしてくる。

「任せてくれ」

俺はその手を取り、曲が変わったところで優と踊り始める。



ダンスは昔習ったことがあるので得意な方だが周りの視線が俺たちに向いているから少し緊張して上手く踊れないが優が楽しそうなので気にせず踊ることにした。

「優、楽しそうだな」


「もちろん楽しいよ!だって秋人と一緒に踊れてるんだから!」

満面の笑みを俺に向けながら言う。


「でも、大丈夫?なんか緊張してる?」

優は優しく問いかける。


「いや…この後みんなに問い詰められそうでめんどくさいなと思ってな…」

俺は少し諦めたような顔で言う。


「あーなんかごめんね…」

優は苦笑いを浮かべながら申し訳なさそうに言う。


「いや、優と踊るの初めてで楽しかったから後悔してないけどな」

俺がそう言った途端、優は嬉しそうにニッと口角をあげた。


踊りながらそんなことを話しているとあっという間に1曲が終わった。


「秋人…このまま逃げちゃおうよ」

優は俺に耳打ちをする。

「え…?」

そう言って優は俺の手を掴んだまま走りだした。

「どこに行くつもりだ?」

優と俺は学校の階段を登っていた。

「着いてからのお楽しみ」


優に連れていかれ着いたところは誰もいない屋上の上だった。

「うわぁ〜きれい!」

優は目を光らせる。

そこに広がっていたのは、満天の星空だった。

そうして、俺たちは無意識に腰を下ろして2人で星空を見上げていた。






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