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01.少しめんどくさい幼なじみ



目覚まし時計がなっているある日の朝、 俺―前田秋人は体の上に何かが乗っているのを感じたので大体予想はつくが、それがなにか確かめるために頭を上げた。

案の定そこに居たのは、俺の幼なじみの遠藤優だった。この幼なじみは毎朝俺を起こすため毎朝勝手に部屋に入ってくるのだが、なぜか毎回俺の上で気持ちよさそうに寝ている




「秋人おはよぉ…」


俺が起こさないようにそっとどかして目覚まし時計を止め、カーテンを開けると太陽の日差しで起きたのかその幼なじみは眠たそうな声で言った。




「お前なぁ…なんでいつも俺の上で寝るんだよ」


俺たちはもう高校生なんだからもっと考えて欲しい


「だって...秋人の上で寝ると気持ちいんだもん」


「だもんってお前なぁ…」


彼氏彼女ならまだしも俺たちは幼なじみだ。

他人から見ると勘違いされるほどのことをしていることを優は分かっているのか……?

…分かってるわけないな。だって今もまた俺の上で深い眠りにつこうとしているんだから、、


「優、一体何をしにこの部屋に来たのか覚えてるか?」


俺はわざとらしく優に問いただすように言った。


「ん……?…あっ!そうだ!秋人を起こしに来たんだった。ほら、秋人学校行くよ!!」


優は目が覚めるほどの元気な声で言った。

(さっきまで寝ようとしてた奴が何を言ってるんだか…)

と思ったが、口に出すとめんどくさくなりそうなので言わなかった。








──彼女に話しかけようとしている生徒が数人いた。


実は、こんな幼なじみでも学校ではこう呼ばれている…………

──鉄壁の聖女様と

彼女は学校ではまるで完璧なアイドルのような存在だ。誰もが憧れ、誰もが目を離せない美少女。友人たちの前では完璧な笑顔を振りまき、教師たちからも高評価を受ける。だが、彼女の真の姿を知っているのは、俺だけだ。


まぁ、その呼び方に当の本人は嫌がってるようだが、




こうなってくるともちろん男達にも結構モテるのだが、優はあまりそういうのに興味が無いのか毎回断っているらしい。これらのことからクラスで『鉄壁の聖女様』と呼ばれている。


「ねぇ聞いた?あの鉄壁の聖女様がバスケ部の部長に告られたらしいよ! 」


「え!あのファンクラブまである人か?」


「そうらしいよ。でも、告白は断ったらしいけど」


「え...あの先輩がダメなら一体誰が付き合えるんだよ…」


クラスの人達が優の噂をしているのが聞こえたが、いつもの事なので当の本人も何も無かったかのように次の授業の予習を始めていたので俺も気にしないことにしていた。



優の人気は凄すぎるのであまり仲良くしていると、根暗オタクのような俺とは釣り合わないとクラス中から猛バッシングを食らうことは目に見えているのであまりクラスでは話さないようにしている。


今日も放課後、俺の部屋に来た彼女は無防備な表情でベッドに飛び込んできた。


「疲れたー、もう限界……」


ベッドに横たわりながら、彼女は俺の腕に抱きつく。その瞬間、彼女の完璧な仮面は消え去り、ただの甘えん坊な女の子に変わった。


「もっとぎゅっとして、安心したい……」


彼女の声は小さく、今にも寝そうな声だった。


「やっぱり優のあの学校の取り繕いは疲れるよな ……。でも、今日だけだからな…」

俺はそう言って彼女の寝息が聞こえるまで背中を優しく撫でた。


彼女は目を閉じ、心からリラックスした表情を浮かべた。俺の前だけで見せるその姿は、他の誰にも見せることのない特別な一面だ。


俺と優には秘密がある。それは、彼女は家と学校だと全く性格が違うのだ。学校でのストレスを解消するためなのか家では外の優の雰囲気なんて忘れてしまうほどのだらけ様だ。




優を寝かしつけ買い物へ向かい、それを終え家に帰ると、そこには俺のTシャツを着てメガネをかけた彼女がソファーに寝転がってアイスを食べていた。


俺と優の両親は昔から付き合いがあり、両方共働きのこともあってこの時間は一緒にいることが多い。


「秋人おかえり。遅かったね」


「 ただいま」


「てかお前、男のTシャツとか勝手に着るなって毎回言ってるだろ 」


悪びれもなく普段と同じようにしている。

優は無防備すぎるので、もう少し自制して欲しいところだ。


「秋人のだからいいんだよーっだ! 他の男の子のなんか着ないもん」



「……お前なぁそういうことは好きな人とかに言ってくれ」


「...秋人のわからず屋」


「なんか言ったか?」


「なにも言ってないもん 秋人のばーかばーか!」


優はついさっきまで恥ずかしがっていなかったのになぜか急に頬を赤らめた。






「優、夕食食べてくか?」


両方の両親はまだ帰ってこないので2人で食べた方が効率が良いと考えた俺は優を夕食に誘った。


「いいの!?」


優は目を輝かせて言った。


「いいよ。俺の手作りになるけどいいか?」


男子高校生とはいっても自炊はしてるし、ある程度料理はできる方だと思う。


「やった。秋人の手作りご飯は凄く美味しから楽しみ!」


献立は手作りハンバーグにサラダ、味噌汁、ご飯と普通の食卓に並ぶようなものだが、いつもより気合いを入れて作った。

手作り料理を褒められて嬉しくならない人は居ないだろう。


「 私の大好物のハンバーグだ。……んんぅ〜しかも私の好きな味付けだぁ...」


「ちゃんと噛んで食べろよ?」


「むうぅ…なんか秋人私の事小学生かなんかだと思ってない?」

「気のせいだよ」

優は口を尖らせて見るからに不満そうに言った。






「───ご馳走様でした!」




「あー美味しかった!……そうだ 秋人明日予定ある?」


「......ないはずだけどどうした?



「明日さ…私とデートしてよ」


で、デート…?と一瞬思ったが、

優はにやけながらで話しているので恐らくからかっているだけだろう。


「えーと、、明日買いたいものがあるから着いてきて欲しいな〜って...」


優は周りを見渡しながら俺の方をちらちら見てきた。


「はぁ…どうせ荷物運びだろ?」

「正解!やっぱり私の幼なじみは私の事知り尽くしてるね」

「じゃあ、明日よろしくね」


「あぁ」

優は満面の笑みで言った

明日は、疲れる1日になりそうだ。














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