第2.5章 第32話 〜幼神は遂に、ラスボスとご対面……!?〜
俺は、学院長に呼ばれていた。
「何でしょうか……??」
「あぁ、急に呼び出してしまって申し訳ない。君に討伐をお願いしたくてね。」
「実はと言うと、討伐して欲しい奴らがこの神都と王都に攻めてきてるんだ。」
「はぁ……??」
俺は、疑問に思いながら言う。
その疑問は、何故……そこにシルヴィアたちにも頼まない事だ。
だが、その答えはすぐに返ってくる。
「これは、シルヴィア達には頼めないことだよ。」
なるほど……。俺の思ってることがバレていたか……。
「それで? その用事とは?」
すると、学院長は話すのである。
「君には、災厄の悪魔を倒してもらう。」
「災厄の悪魔ですか……。一体、どんな力を持っているのですか?」
「そうだねぇ……。まぁ、一言で現すなら……。」
そう言って、学院長は一拍置いてから話す。
「ありとあらゆる体を乗っ取り、その人の記憶……能力……全てを統べ、自分のモノにする悪魔だね。」
「なるほど……。そりゃ、災厄の悪魔ですね。」
「どうか、くれぐれも……体を乗っ取れないよう注意を払いつつ、討伐して欲しい。できるかな?」
そう言われたからにはやるしかないよな。
「分かりました。任せてください!!」
そう言って俺は……色々と準備をして学院から出て、神都の門についてそこから俺は「気」を使った。
そして、気配を察知し……瞬間移動をした。
「お前らか……? その災厄の悪魔を連れている奴らは……。」
「クソ、バレた!! やっちまえ!!」
━━━━━━━奴らは、魔剣で切り裂いて来ようとした。
それを俺は……。
「現れよ……!! ルシファー!!」
「わぉぉぉぉぉーーん!!」
ルシファーは、スキル 「神殺し」で、どんどんと殺していく。
すると、突如……麗しき女性の人が現れて、ルシファーを威嚇した後、ルシファーが後ろの方に吹き飛ばされた。
「ルシファー……!!」
俺が向かおうとすると……その女性は俺の目の前に瞬間移動した。
「しま……!?」
「主……!?」
「頂き……」
『させるかぁぁーー!!』
すると……ユウキが心核を使い、俺とその女性の距離を一気に離した。
「ふぅ……サンキュー。ユウキ!!」
『全くもう、心配させないでよね。さすがに、この体でも乗っ取られる確率なんて高いんだから。』
━━━━━━━━だろうなって思っていた。
そして、ルシファーを影に仕舞い……休ませていた。
「あらあら……。あと少しだったんに……。自己紹介しますわ。わっちの名はバアル・ゼブル。乗っ取る事が得意な災厄の悪魔ですわ。」
なるほど……ベルゼブブか……。なら、納得は行った。
じゃ、やるか……。
「そうか……。私の……いいや、俺の名前はヘルフリート=アイリス・ロータス。前世の名は……安枝凪 信長だ。」
「ふふ、前世の名前までも教えてくれるなんてなんて律儀ですの〜?」
「その方が…………筋ってもんだろ?」
そう言った瞬間……ベルゼブブの後ろへと瞬間移動した。
【時空之全能】で……。
「……!? 早い……!?」
そして、俺は逃げられる前に……首を絞めた。
「う……!? 苦しいぃ……。」
「聞かせろ……お前は、何人葬った?」
そう言うと、微かに笑いながら言う。
「知らないですわ……。だって、数えられないほどやりましたもの。」
「そうか……じゃ、救いの余地なしだな。」
「なんですって……!?」
「発動……。【熾天使ト堕天使ノ断罪スル法皇-セラフ・ド・ジャッジメント・ホープ-】!!」
「…………!? それは……!!」
「天罰……!!」
「あがぁ……!? あ、ああああああああああーー!!」
今、トラウマを植え付けている。そのトラウマとは……今まで乗っ取ったもの達の逆襲……。つまり、ゾンビ化した乗っ取られた人がベルゼブブの事を食料として食われている光景を永遠に続けさせている。
あぁ、勿論……逃げさせる訳にも行かないので、吊るしあげているし、超回復も付いているから食われても回復されてまた食われる。そんなトラウマを植え付けている。
「ああああああああああああああああーーーー!!!!」
いいね。そのトラウマになっていく断末魔……。最高だよ……。
俺は指揮者のように頭の中で流れている音楽を指揮する。勿論、断末魔と一緒にだ……。
ユウキは恐怖をしていた。何故かは知らないけど……。
僕、ユウキはヘルフリートに恐怖を抱いていた。それは何故か? 今のヘルフリートは……あの最強と言われた創世龍王神で竜種の【ユグラリア=ラプラス】に似ているからだ。
そして……そのユグラリアは、1000年前に亡くなってすぐに転生するだろうと確信をしていたのに……。
だが、すぐに転生しなかった……。もしかすると……ヘルフリートは……。いいや、違うだろう……。そう僕は信じたい。
「じゃ、満足したし……。殺すか。」
「ひぃ……!?」
「法皇処刑……!!」
そう言った俺に対し……トラウマを解除した途端、ベルゼブブはギロチンの中に頭を入らされ。抵抗しながら、もがき苦しんでいた。
「執行!!」
そう言った瞬間……。スパーンと音がなり、ベルゼブブの首と胴体が真っ二つに切れた。
「お前は……一体……何者なんだ……!? そんな膨大な力は……ユグラリア=ラプラスしか……知らないぞ……!?」
安枝凪 信長……。ヘルフリート=アイリス・ロータス。━━━━━━それとも……ユグラリア=ラプラスだと思ってるのか……??
「俺か……? 俺が誰か……か。考えた事もないな。だが、どうせ死ぬんだし……教えてやるよ……。俺の名前は━━━━━━━━━━━━━━━。」
「…………そうか。なら、納得だ……。完敗だよ……。"ヘルフリート"。わっちの……負け……。」
そうして、灰のように消えていくのであった……。
〜おまけ〜
「今日から、ヘルフリートはんの精神に住まわせてもらうベルゼブブです。よろしく頼んます〜!!」
『宜しく頼んます〜!! じゃないわ!! 何故、ここに居るんだ!? あぁ!?』
ヨグさんがブチギレてる……怖ァ〜……。
『まぁまぁ、そうカリカリしないでくんなまし? わっちも知らんのです故に……。これからも仲良くしてくださいまし? ねぇ、主様ぁ〜?』
そう言って、俺の腕にしがみつくベルゼブブ。正直に言おう……虫唾が走る……!!
『離れてよ。殺すよ……??』
ユウキもガチギレですわ……。怖すぎね……??
一体……この先どうなるんだろうな……。不安でしかないわ……。
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁあーー。」
クソデカため息を吐き、夜空に広がる満点の星々を見上げながら現実逃避をするのであった。




