表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

タイムリープ

あれ?どこだここ?


目を覚ますと見知らぬ天井というわけではなかった。

何かしら懐かしいというか、見たことがあるというか少なくとも病院の天井ではないことは確かであった。


どうやら俺は助かったらしい?

まじで死ぬかと思った。二度とふぐは食べれないレベルのトラウマがしっかりと体に刻まれているレベルである。


にしても誰が助けてくれたのだろうか?

仕事上、人に殺されかけたことは多々あるが人に救われたことは全くなかったんだが。


だんだんとはっきりしていく意識の中で自分が今どこにいるのかなんとなく察した。


ここ、俺の部屋だ。

いや、ふぐ毒を食べて倒れたアパートじゃなくて昔住んでいた一軒家の俺の部屋。


なんだこれ、家族の誰かがたまたま俺の部屋にあの日訪ねてきたとかか?


ありえないだろ、俺が家を出てから一切の連絡もしなかった人たちだぞ。


とりあえず、俺は部屋から出ることにした。

テトロドトキシンによる、毒のダメージは一切なくむしろ若返ったかのように体が軽い。


毒が反転して薬にでもなったか?なんてコミックの世界じゃあるまいしないない。


俺の部屋は2階にあるので階段をおりそのままリビングに向かった。


リビングは俺が家から出た時の内装のままというよりも俺が中学をあがったばかりの頃の懐かしい内装になっていた。


俺は首を捻りながら、俺が家を出る頃には捨てられたはずの時計を見る。


時刻は昼の12時近くになっておりこの時間帯は両親は仕事の時間帯である。

兄と双子の弟もいるが2人とも独立して、家からは出ている。


ゆっくりとこれまた捨てられたはずの懐かしのソファーに腰をかけて、テレビをつける。


テレビには見たことがある事件のニュースが流れていた。


それは今から十五年前の子供達の失踪事件である。

ある一部の地域で子供の行方不明事件が相次いだ。

この事件が解決するのは事件、発生後の約五年後で犯人は日本政府直属の医療機関に所属する医者だった。


目的は異能力の違法的な研究と己が息子を救うためだったという。

植物人間になった息子を救うべく医者は人が持つことなる能力に縋った。

結果は身を結ぶ前に事件が発覚しとある異能力専門家の刑事によって逮捕され幕を閉じる。


その後医者は死刑宣告を受け、植物人間状態の息子は安楽死させられる。


さらに絶望することの医者の研究データをもとに様々な医療機関が手を取り合って医者の研究を完成させるという点にある。


なんとも救えない話である。


確かに当時はどのニュース番組もこの話題で持ちきりだったが、今更この隠蔽された事件を掘り返してもいいものだろうか?


日本政府に圧力とかけられないといいけど。


その前になんだろうなこの違和感。

違和感はずっと感じているのだがニュースのキャスターが十五年前と一緒じゃないか?


再放送?ニュース番組をわざわざ?

それにこの昔のまんまのリビングもまるで時が巻き戻ったかのような。


俺は一番の違和感に気がつく。

そうだ、最初に立ち上がった時に景色が違った。

いつもよりも低い視点になっていてそれにこの手足、あたり前だが小さい、まだ成長前の子供のような手である。


違和感は確信に変わりそして俺は洗面台の鏡をみた。

そこにはまだ幼さが残ってはいるがこれから大人になっていくであろう思春期の少年の顔が映り込んでいた。


ベタベタと顔を触り、頬をつねる。

感触も痛みもある。


「ははは。まじか」


自分の置かれたこの現状を表すとしたらどうやら俺はタイムリープをしてしまったようだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ