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スカイツリーと東京タワー

作者: 時田柚樹

ス:「どうもー。スカイツリーです! イエーイ!!」


と:「どうも。東京タワーです」


ス:「笑顔のわりに、地味な自己紹介だなぁ。明るく行こうよ、明るく!」


と:「僕は十分明るいよ。キミが突き抜けちゃってるだけ」


ス:「まぁ、そちら様よりは突き抜けてるんだけどねー。

  なんせ、634メートルだからな。む・さ・し♡で覚えてね」


と:「うわあ、痛いよ」


ス:「そっちはお疲れ様って感じねー」


と:「未だにお客さんいっぱい来てくれるんだよ。

  そちら様と違って登りやすいもんで。

  333メートルなんて半分ですもん。ま、うちは階段登れるのも売りですけど」


ス:「こっちはエレベーターで上がってもらうけど、まぁ、これが評判いい! 

  4台がそれぞれ春夏秋冬イメージしてて、綺麗なんだよね。

  あ、1番人気は春の桜!

  最新の技術がつまってて悪いね。

  そっち昭和33年でしょー? って、ずいぶん3の好きな人が作ったんだな」


と:「詳しいじゃんか。そうだよ。悪いか。

  Mr.ジャイアンツが活躍してた頃なんじゃない?

  覚えやすくていいし。名称公募のときに、1番多かったのが『昭和塔』だし。

  THE昭和だったんだろうね。

  鉄が足りなくて、スプラッタ戦車が使われてるし。本当に昭和だよ。

  昭和も嫌いじゃないけどさ」


ス:「考えたら俺もっとすごかったわ」


と:「なにがすごいん?」


ス:「その名称公募ってやつ。

  1番多かったのが『大江戸タワー』って。江戸じゃん。

  めっちゃヤバくない?」


と:「マジで? 粋だね〜」


ス:「粋なのは、まさにそう!

  ライトアップされるんだけど、1日ごとに『粋』『雅』『幟』っていう3種類の

  ライティングシステムがあって、それがもぅめちゃくちゃ綺麗でさー」


と:「なんだろ。ネーミングが全体的に江戸。

  江戸=粋で解釈しちゃっていいのかな?」


ス:「もちろん。

  『粋』は、泡やゆらぎがあって水のイメージで光るんだってさ。

  隅田川だね。

  『雅』は、羽衣の優雅な動きで金箔みたいにキラキラした螺旋状の光だって。

  江戸紫がベース。

  『幟』は、旗が風にはためくイメージ。

  橘をベースに縦ライン垂直型ライトらしいよ。

  まあ、イベントごとに他のライトアップもするけどさ。華やかだろー」


と:「そりゃ、綺麗だろうね。うちのとこもライトアップするんだよ。

  イベントの時とかなんかしらの記念の日のとか。

  あと、満月の日のは上の電気消すからね。これこそ粋だよ」


ス:「満月の日に? まさか……月で充電できるの? ヤバいな!」


と:「そんなわけないだろ。月が綺麗に見えるようにだよ!

  もともとの色が目立つからね。こっちは。白と青のそちら様より」


ス:「スカイツリーホワイト! 

  こっちの色は、藍白をベースにしたオリジナルカラーなんだぜ。

  そちら様の赤と白っていうおめでたカラーじゃないんだよ」


と:「うちもおめでたカラーじゃないもんね。

  白とインターナショナルオレンジだもん。国際基準で決まってるんだよ。

  それを赤と言えばみたいな代表格に使われてもさ」


ス:「わあー。どうしたどうした! 落ち着け。何が君の地雷かわからねーな」


と:「とりあえず耐えれると思うよ。戦車装甲だから」


ス:「なんか、タワーさん怒らせると怖いやーつかも?」


と:「失敬な。めちゃくちゃ穏やかで純粋だ。

  てっぺんに野球ボールが埋まってるくらい平和だよ」


ス:「なぜ野球ボールを埋めたのかわからないけど、平和そうで良かったよ」


と:「そうだよ。5年に1度の外観塗装しに行かなきゃいけないくらい平和だ」


ス:「あー。えっと。ガンバッテ。オチナイヨウニ」


と:「縁起の悪いことゆーな。じゃあ、またあとでな」


ス:「おー。ソラマチで待ってるねー」


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