いきなり破滅フラグ?そして明るい真島家
「お兄様、一重だけでよろしいのですか?こちらの長羽織を…」
「ああ、ありがとう。
アリサと、クラスの連中とカラオケに行くことになったんだが隣のアレが音頭を取った席でね」
「まあ!それでも参加なさるのですか?」
長羽織を受け取って羽織ると「お兄様カッコいいです!」とはしゃいでいた美優だが、カラオケメンバーを聞いたら途端に不機嫌に。
「他の連中はうまく躱したんだけどアリサが能天気にOKしちまったんだよ。ちょっと一人で行かせるの心配だしな」
「…次に来た時はアリサさんはおやつ抜きです!」
「はは、お手柔らかにしてやってくれ」
2人で笑ったところで俺のりんごフォンがピコンと通知音を鳴らす…西園寺からメッセージか
そうしていたら今度はチャイムが鳴り、インターフォンのモニターに詩音が写っていたのを確認した美優が嬉しそうに玄関に向かっていく
「気をつけてな〜」
「はい!お兄様も!」
見送ってからスマホの画面に目を落とす
"あなたの直感通り、シリアスイベントの可能性大。念のため別行動になるまいちゃんファミリーと妹さんカップルにはファンタジー王家でいうところのいわゆる影をつけます
あなたとアリサちゃんなら楽勝だとは思うけど、まあアレね。御武運を"
…こんな内容で送ってくるってことは西園寺グループの調査力で何か引っかかったんだろうな
"情報提供感謝!!
取り敢えず潰したら、事態の収束は?"
"そこは司法に投げるわよ。うちのグループは神隠しはやってません"
…まあいくら屈強なSPさんとか居ても、神隠しは別問題か…いや、多分西園寺が知らされてないだけで汚れ仕事専門の部署とかありそうだけどな
さて、そろそろアリサを迎えに行くかな。アリサと二人きりって、中学の入学初日の登校以来なのに初めてのデートが乱闘かぁ…
家から出て、日が落ち始めた住宅街をスタスタと雪駄を鳴らして歩けばすぐにアリサの家が見えてくる。アリサの家は母子家庭で母親と2人暮らしだ。お母さんもやはりというかレディース黎明期の伝説的な人らしい
らしいというのはアリサが恥ずかしがってきちんと紹介してくれないんだよな。まあ中学時代だとそんなもんか
とはいえもう高校生になったことだし折を見てご挨拶しなきゃ
あとアリサのお母さんは元ヤンでも、恐らく本質的にかなりまともな人だと思う。アリサに陰は全くないし、親が歪んでたらあんな真っ直ぐな子に育つわけがない
さて、チャイムを押してと…
「はーい!!
あらあらあらあらもしかして神谷翔太くん?アリサの母のアケミよ〜!ていうか本当に私服が和服なのね!渋いのねずいぶんと…」
「はい!アリサさんと仲良くさせていただいてます。和服は…なんというか落ち着きますので」
「ふぅん…あ!アリサは今支度してるからね〜!あがってあがって!!」
そんなことを考えてたら遭遇したアケミさんは、アリサがそのまま成長した感じだった。というか見た目がすごく若い。お姉さんだと言われたら信じそうな感じだ
「…あーもーかあさん!!
翔太、はやくいこーぜ!!」
「あらあらうふふ〜」
顔を赤くしたアリサにひっつかまれて俺は足が宙に浮いた状態でアケミさんに見送られた
「いってらっしゃーい!!」
「いってまいりマァァァ……!……!」
「…青春ねぇ〜!
あの子ならアリサ任せてもいいかなぁ?でもライバル多そうね」




