やはりラノベの舞台に常識は無い
3つ、誤算があった
今、俺はアリサとまい、詩音と桜が咲き誇る青嵐高校の校門をくぐった。入学式だ
朝、車で車母親と美優と別れてのんびりと話しながら4人でここまで来たわけだが
道中は平和だった
「はは、美優があんなにしどろもどろになったのは初めてかも知れんよ。兄が知らない表情を容易く引き出したのは少し嫉妬しちまうな」
「…買いかぶりだよ。それに、翔太のせいで美優さんは理想がめちゃくちゃ高くなってると思うよ」
「あー、それ言えてる〜☆
美優ちゃんって、なんていうか普通のブラコンとは違う敬愛があるよね翔太に対して」
「あー…なんつーか、兄貴というより親戚の素敵な伯父様に接してる感あるよな」
「なんじゃそりゃ!俺はお前らとタメだっつの」
まあ、こんな会話をして笑い合いながら歩く通学路は楽しかったのだが
「…薄々わかっていたけど、ここまで露骨だと、ちょっと気持ち悪いかな」
「ああ…肉食獣だな」
「…つーか、詩音くんもそーだけど翔太に向けられる視線もなんつーかアレだね☆
中学の頃の恋に恋してる感じじゃなくて、なんつーか、こう…」
「擬音にしたら二チャアァァだな。そういうことに疎い俺でもわかるわ」
誤算の一つ目、この学校にはビッチしかいないのだろうか?
いや、ビッチでもギャルならいいんだ。男好きなのを特に隠さない、クラブでアゲアゲみたいな子なら別に不快感は無い
そういう子は自分と価値観の合わない男に無理やり迫ったりしないし、別にそういう関係にならないならならないで、ノリがいいので呑み友達としては最高なのだ
だから、同性の友達も多い。
思うに良いビッチと悪いビッチの違いはそこだと思うんだよな
擬態して男を誘う清楚系ビッチは、ぶりっ子で性格が悪いので同性の友達が居ない。だいたい陰キャな恋愛を捨ててる系の子を自分の引き立て役として友達設定にして隣に置いてたりとかだ。
だが、この青嵐高校にはその手の見た目は童貞君好みに取り繕って誤魔化しつつあっちこっちに、簡単に股を開いてコミュニティを崩壊させるタイプの奴ばっかの様だ。ざっと見た感じまともな女子は一割以下だ。
ちなみに、何故清楚系ビッチは無秩序な男漁りをしまくるのか?
何故かと言やぁ「経験人数=私の魅力!それが私の価値!」という思考回路だからだ。本人達の中では戦績なんだろう。
そんな地雷女。清楚系ビッチ。性格ドブスのヤリマン…その手の女子だと一目で俺には判る奴らがやたらと多い
多すぎる
これもラノベ風世界だからか?!
そして、いつも自分で忘れてるが客観的にイケメンらしい俺と、俺とまいのプロデュースにより可愛い系イケメン、甘々王子風となった詩音
そりゃあもう、羊に擬態したメスライオンや女豹がウヨウヨしてる中にジューシーな♂骨付き☆リブロース♂投入状態だ
「…とりあえず、何かあったら言ってな。あの手の優等生ぶった清楚系ビッチは2人みたいなタイプ敵視するしなぁ」
「うふふ〜王子様だぁ〜」
「ありがと…でも大丈夫だぜ!」
照れる2人が女神だ!!
「それにしても、翔太って本当に人の本質を見抜くよね
僕は中学入学当時なんて、申し訳ないけどアリサさんやまいさんは怖かったし、佐々木さん達があんなに性格悪いなんて思いもしなかったのに」
「あー、目だな結局。
小さい頃(本当は前世の仕事で)本当に気持ち悪い目をした人を見たことがあってなぁ
それからはそれを一種のものさしにする様になったってわけだ
アリサやまいは綺麗なキラキラした目だったから悪い人間じゃないってすぐに判ったよ」
「そうなんだ…」
「照れるしっ☆もうっ!!」
「…照れるぜ」
なんだかんだ、いつものまったりな俺達だ