はい、5人組作って〜(絶望)
「あ、放課後までに5人組を作っといてくれ。夏休み前にキャンプがあるからなー」
担任のおっちゃんの無茶振り。
こういうのってクラスに緊張走るよなぁ〜
真島さんに手招きされたので近くにいくと、佐伯さんもヒョコヒョコと近づいて来て自然と集合した
他の連中も色々牽制したり思惑をぶつけ合ったりしてるみたいだ…特に西野逆ハーとビッチ5人組はかなり揉めてるようだ…飛び火するなよこっちに
「翔太、どうする?とりあえず俺ら3人として…」
「とりあえず、西野関係とビッチ5人組の誰かは嫌だな」
「あは〜☆
翔太くんって私のこと最初から全然ビッチじゃないってわかってくれたのに、あの子達はビッチって言い切っちゃうんだね〜」
「…そりゃあねぇ?」
「いやいや、男子ってああいうタイプの子が好きじゃん?女子同士ならすぐ判るけど男子で察する人あんまいないんじゃないかな〜?」
「俺は女なにのによくわからない…」
「どんまい〜☆」
「あーもーうるせー!…でだ、あと二人どうする?俺はなんでもいいかな」
いつもだけど真島さんと佐伯さんのイチャコラは尊い。そして間近で見る権利は俺にしか無いのだ!ワハハ!
さてクラスは40人だから8グループ作るってわけだな
教室を見渡すと4グループはすでに決まったらしい。いわゆる普通の人達のグループだな
お、もう1グループ決まったな。オタクっぽい人達のグループだ。脇役君のことを教えてくれた金原君という生徒はそのグループだ。俺らはカーストとかアホくさいというスタンスでいつも3人でまったりしてるから話しかけやすいらしい。
実際、真島さん佐伯さん以外ならいわゆる陰キャ寄りの人達のほうが普段よく話す。イケメン風味の連中は西野の取り巻きだし、ビッチ5人組は俺が嫌だから避けてるしな
ええと…ビッチ5人組と西野逆ハーは…なんか11人でめっちゃ言い争って決まらないようだ
…そして!
巻き込まれてたまるかと言わんばかりに、残ったモブの皆様5人がガシッと硬い握手をしてグループになってしまった!!
そしてこの世の終わりのような顔してる朧と目が合ったので3人でそっと目配せして手招きした
「おーい、もしよけりゃ俺らのとこ入ってくれ」
「歓迎するぜー!」
「えっと、話したこと無かったよね。ウチ佐伯まい!よろしく〜☆」
「朧詩音です。よろしく…ありがとう。正直助かったよ」
「いやーありゃちょっとねぇ?」
「当日問題起こさなきゃいいけどなぁあいつら」
「正直キツいよね〜あの構成じゃ…ウチだってやだもん」
「神谷君達ってほんとになんていうか気さくだね…その、気を悪くしないで欲しいけど見た目のイメージといい意味で違うっていうか」
「あー、俺らカーストとかアホくさってスタンスだからねぇ
それに、学生の頃カースト上位な奴ってだいたい二〇代後半で落ちぶれて、同窓会とかで当時の立場でマウント取りしていい歳した社会人なのに馬鹿かよってみんなに白い目で見られる運命だからねぇ」
「…ぶっ!…神谷くんちょっと捻くれすぎじゃなかな?普段孤高ぶってる僕が言えることでもないんだけど」
「あ〜翔太たまにめっちゃおっさん臭いよ〜☆」
「だな!熱い緑茶好きだしな!」
「うるさい!あったかい飲み物のほうが胃腸に負担がかからないんだぞ!」
「中一でそんなこと気にするなし〜☆」
「「「「あはははははっ!!」」」」
朧は意外と普通な奴だった。というか普通によく笑い、礼儀もあって別にコミュ障ってわけでも無いし、普段は本当に一人が好きなんだな。
「…ってまだおわりじゃなかったわ」
「「「ああ…」」
そうなのだ。朧君が思ったより社交的でいい奴だったのですぐ打ち解けた俺ら4人…つまりあと一人迎え入れなきゃいかんのだ。しっきから取っ組み合い寸前のムードでバチバチギャアギャアしているあの11人の中から……西野がこっち来るとかほざいたら全力で阻止するけど
あいつ、今でもたまに思い出したように俺に粘着しようとするんだよな…幼馴染ざまぁのテンプレの気持ち悪い環境は完璧に壊したのになんで完全に視界から外れてくれないんだろうか。やはり小さい頃にサンドバッグにすると定めたのにそうならなかったのが気に食わないんだろうか
「あのぅ、私もそっちでいぃかなぁ?」
えーと、佐々木とか言ったっけ?ビッチ5人組のリーダー格がやってきました。喋りかたクソうざい。まあ西野じゃなかっただけましか。
因みに誰が俺のとこ行くかで揉めてたらしい。同類4人が佐々木を歯軋りして睨んでるわ
「…はいよ。よろしくね」
「よろしくな!」
「よろ〜☆」
「……よろしくね」
うん、俺だけを見て会話すんな。他の3人を居ないものとして扱うな。清純気取りビッチは…ハァ