魔法もチートも無いんだよ
数ページ完結予定です。一応幼馴染ざまぁですが、他のその手の作品とは全く違う解釈というか設定なのでもしよければ読んでみて下さいね。
「…りんねてんせい?」
高熱を出した。
お母さんは俺に対しては昔からドライな人で、最低限のことしかしてくれないんだよな。妹ばかり甘やかしてる。
まあそこはどうでもいいんだわ
一つ下の妹の美優はまだ4歳だけど人の気持ちを考えられる心優しい子だし、俺にもすごく懐いてくれているしな。あと、身内贔屓無しに見てもかなり可愛いから将来は美人さんになりそうだ
とりあえず今俺に起きた現象についてちゃんと考える必要がありそうだ。まだ熱があるし、ベッドに寝かされているから時間はたっぷりある
32歳で交通事故で死んだやさぐれたサラリーマンの記憶とか、5歳児が抱えるにはちょいとヘヴィーなんじゃなかろうか。名前は思い出せないけどこれは俺の記憶だということはなんとなくわかる
どうやら俺は転生というものをした、らしい
まあ前世の俺はネット小説ぐらいしか楽しみがないやさぐれサラリーマンだったから色んなジャンルを読んでいたわけだが、やはりチートだのハーレムだのは物語の中の話なんだな、と思う
俺は神谷翔太
王子様でも貴族の息子でも勇者でも賢者でもなんでもないただの日本の一般人の転生者ということになるみたいだな…なんともはや
まあ、転生先が平凡すぎるおかげであんまり取り乱してないからありがたい
政略結婚に関するゴタゴタとか、ギルドの依頼で魔物と戦うとか、人がいっぱい死ぬ戦争の最前線に躍り出で強大な魔法をぶっ放して敵兵を殺すとか…正直そういうことにならなくて良かったと思う
前世も今世も一般人。でも美優が可愛いし大切だから幾ばくかのアドバンテージである社会人だった前世の記憶もせっかくだから活用して妹が幸せになるのをサポートしていこう。
あと、前世の家よりは多少裕福みたいだから俺自身ものんびり青春をやり直してみたいかな。機会があればだけど
そんなことを考えて反芻しているうちに眠りについていた
いきなりシスコン化する主人公w