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❻PCR検査・抗体検査

結論から言いますと、PCR検査を日本の全国民にするのは間違いです。

あくまでも、感染者の割合が高い地域(例えば夜の街)に限定すべきです。


これは、計算自体は小学生でも出来るのですが、意味の分かりにくい理論です。

「事前確率」と「事後確率」・・・何だこりゃ?と思ってしまうほど意味の不明な単語です。

この言葉を使うと余計にわかりにくくなるので、平易な言葉で解説します。



アメリカや欧州では非常に感染が広がっています。

国民の10%を超えて罹患しているところもあるようです。


それに対して日本は、抗体検査で確認した限りですと、平均で0.1%だけです。

東京ですら0.15%で、これは1000人に1人か2人しかかかっていない計算になります。



ではまず、欧州での感染者の割合を20%と仮定しましょう。

すると、検査対象者を10万人と設定した場合、「本当の陽性患者は2万人」「本当の陰性患者は8万人」となります。

その検査対象者にPCRで全体検査します。



陽性患者をしっかり陽性だと判定できる精度を「感度」と言います。

PCR検査における感度は60-70%で、ここではこれを仮に「感度70%」とします。


感度70%で検査をすると、本当の陽性患者2万人のうち1万4000人はしっかり陽性として判定されますが、6000人は間違って陰性と判定されて野放しになります。

しかし、多くの陽性患者が見分けられましたので悪くない感じです。


また陰性患者をしっかり陰性だと判定できる精度を「特異度」と言い、これは99~99.99%ぐらいです。

ここでは仮に「特異度99.9%」とします。


特異度99.9%で検査をすると、本当の陰性患者8万人のうち、80人が間違って陽性と判定されます。

しかし80人にとっては辛い仕打ちになってしまうでしょうが、その程度の誤差なら許容範囲に感じるでしょう。



さて、ここで日本に当てはめてみましょう。

日本の感染者の割合を0.1%として10万人に検査をした場合、「本当の陽性患者は100人」「本当の陰性患者は9万9900人」です。


感度70%で検査をすると、本当の陽性患者100人のうち70人はしっかり陽性として判定されますが、30人は陰性と判定されます。

これも100人中70人が見つかりますので、悪くはない感じです。


ところが特異度の場合、大変なことが起こります。

特異度99.9%で検査をすると、本当の陰性患者9万9900人のうち、なんと99~100人が間違って陽性として判定されてしまうのです。


え?

検査で見つけられた本当の陽性患者は70人なのに、それに対して間違って陽性と判定された陰性患者がおよそ100人と、なんとエラーの方が多くなってしまうではないですか?


そう、感染者の割合が高い地域では全体検査をする価値がありますが、低い地域では混乱を呼ぶだけなのです。



おまけで「事前確率」と「事後確率」を説明します。

ここまで説明すれば、もう理解できるのです。


「事前確率」とは、上述の欧州20%、日本0.1%という、市中における感染者の割合のことです。


「事後確率」は、たとえば日本のケースで説明します。

本当の陽性患者70人のほか、間違っておよそ100人が陽性と判定されましたが、これを合わせると170人になります。


事後確率は、この70人を170人で割ることで求める割合です。

計算すると41%程度になります。


そうです、本当の陽性患者が見つけられる可能性が41%となってしまうのです。

そんな丁半博打ちょうはんばくち以下の確率の検査など、する価値がありますか?


つまり、そういうことです。



 PCR検査のことを詳しく述べましょう。

 PCR検査は「ポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction)」を利用した検査方法で、30年以上前から使われています。


 イメージとしては、培養液を入れたシャーレに、見えない程度の少量のカビ菌を入れたと考えましょう。

 しばらくすると、みるみるカビが増えて、見た目にもはっきりとカビが分かります。

 こういう検査です。


 やり方としてはまず、綿棒で喉や鼻の粘膜を採取します。

 それにポリメラーゼという酵素を加えると、コロナウイルスのDNAの遺伝子のみが増幅されます。

 大量に増幅されて見やすくなったところで写真を撮り、コロナがいれば陽性、いなければ陰性と判定します。

 陽性と判定された場合は、コロナが確認されていますので、ほぼ間違いなく感染していると考えて良いでしょう。

 したがって「確定診断」としてなら、かなり信頼のおける検査と言えます。

 このウイルスは風邪のウイルスであり、ベテランの医者が診ても、ただの風邪なのか新型肺炎なのかの見極めがかなり難しいのです。


 ただ、粘膜をぬぐった場所にコロナウイルスがいなかったりする場合があります。

 またこのコロナウイルスは、新型肺炎と言う名の通り、喉や鼻を通り越して直接肺に入っている場合もあり、そうなると何度検査しても陰性と判定されてしまいます。

 これが感度60-70%である理由です。


 陰性が陽性と判定されることは非常に稀なので、特異度は99%を超えます。

 100%にならないのは、いわゆる検査の「誤差」というもので、たとえば綿棒でぬぐっている最中にたまたま空気中のコロナウイルスがくっついたとか、スタッフがミスをして他の検体と混ぜてしまった、などがあるようです。


 今の日本の保健所のように、あまりも過酷な労働状況であれば、そういうミスも多く起こるでしょう。

 実際、医療機関より保健所の方が崩壊しかけているのです。

 そういう点からも、国民全員がPCR検査をするべきだ、などというのは危険なことだと言えます。



 抗体検査と言うのは、体の中に「対コロナの抗体」が出来ているかどうかを血液検査するものです。


 一度ウイルスに感染すると、次回の感染に備えて体の中に抗体ができます。

 それが出来ているかどうかを確認する検査ですが、残念ながら精度はPCR検査より低く、6割程度に留まっています。


 理由としては、他の風邪ウイルスとの見分けがつきにくいことがあげられます。

 また、抗体ができるまで1週間程度かかるため、その間に検査しても空振りに終わってしまいます。


 「抗体ができていれば、コロナに対して無敵になれるじゃないか!」と言う人がいますが、残念ながらそうはいきません。

 一度罹患した人が、また罹患し、しかもより重症化しやすくなったという報告があります。

 さらに、抗体が出来た人でも、わずか数か月のうちに消えてしまったという報告もあります。


 また現在、新型コロナウイルスは世界で17種類程度に変異しているため、他の種類のコロナに同じ抗体が通用するとも限りません。

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