9 ランクアップ!そして・・・
少し短いです。
朝一の混雑も収まったギルド内に入る。
相変わらず朝から呑んでる奴もいるが静かなものだった。
「おはようございますナオさん依頼を受けられるんですか?」
リセレンさんが機嫌よく声をかけてくれる。
納品であることを伝えると奥の部屋を用意してもらいそちらに向かう。
「いようナオ、昨日は美味かったのぉ~、それで今日はまた大量のスライム魔石か?」
パッと見は威厳のない爺なのにとエイシドを見ながら、黙ってスライムの魔石を出しながらテーブルの横に赤熊を出す。
「っな!レッドグリズリーではないか!そんな森の奥まで入ったのか?」
森から出てきたPTが引き連れたことを伝え清算してもらう。
「傷のないレッドグリズリーの毛皮は高く売れるから査定に色を付けるぞ。」
あと肝など薬の材料となるため、新鮮さが命なだけあって値段が跳ね上がった。
またほかの冒険者にモンスターを押し付けることは規約には書かれていないがかなりのマナー違反らしかった。
押し付けたPTはよくて罰金、悪質な場合除名や犯罪奴隷に落とされることもあるらしい。
有るんだなーこの世界奴隷制度・・・今度調べよう、なんかしでかして奴隷落ちなんて御免被りたいからな。
「いやいや、ありがたい物だな。しかしレッドグリズリーを倒せるとなるとランクFではまずいな。」
なんでもCランクのPT、またはDランクのPT複数で倒すそうだ。
「FからC以上となると流石に手続きや根回しが面倒だがDくらいまでなら何とも無い。」
Cランクに上がるためには護衛依頼などで信用を高めたりする必要があるらしい。
また盗賊討伐の実績なども必要となるらしく、自分以外の身をきちんと守れるか?と言う事のようだ。
旅をするのなら金を全部出しておくよう言われる。行先にギルドがあるとは限らないそうだ。
カードを渡し、査定が出たので下ろしたお金と共に亜空間収納に収める。
白金貨は初めて見たがビールの缶底よりも大きそうだった。
新しいカードをリセレンさんが持って来てくれたのでお礼を伝えると
「いえいえ、一気にDランクなんてすごいですね。これからも頑張ってください。」
頑張って昨日エイシドと行ったレストランにまた行けるようにする、と伝えるとリセレンさんの背後に修羅が見えた。
「エイシドさん、すこし『O H A N A S I』をしましょうか?」
顔はいつも通りの笑顔なのだが雰囲気と言うか周りの空気が凍り付くような感覚に襲われる。
「ナオ!きさまなにさらっとばらしとるんじゃ!・・・いやちがうのじゃリセレンちゃん・・・」
偉いグランドマスターなら経費でご飯食べなくても給料もいいんだろうしと伝えると
「わかっておらんのぉ~経費で美味いものを食うためにグランドマスターになったのに・・・」
と本気か冗談かわからないことを呟きながらリセレンさんに引きずられていく・・・
南無!(計算通り)
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