5 食がつらい&武器購入
ギルドから出て『自由の夜亭』へ戻りこちらについてから何も食べていないことを思い出す。
女将さんに尋ねるとちょうど夕食の時間らしく用意をしてもらう。
「あいよ!飲み物はどうする?エールかミールかワインも上等なのじゃないが用意できるよ。別料金だけどね。」
ガハハと笑う女将さんにエールを頼み料金を渡す。
来た食事はステーキとパン、それにスープがついていた。
ステーキは塩のみの味付けで割と固く噛んでいて顎がつかれるほどだった。
パンも固く、齧っていたら隣の陽気なオヤジがスープに浸して食うもんだと教わった。
スープも出汁気が無く塩と野菜が入っているだけだった。
エールは温く、残してしまった。
「どうしたんだい?体調でも悪いのかい?」
不味かったから残すとも言えず、疲れが出ていると言葉を濁しつつ部屋に戻る。
幸いベッドはそこそこ柔らかく横になったとたん睡魔が襲ってきた。
止まる宿を間違えたかなと思いつつその日は目を閉じた。
朝、朝日と共に目が覚める。
「0600ってところかな、結構寝たな。」
一人ごちりながら日課となっている体操を行う。
走りながら地理を確認しようと荷物をまとめ亜空間収納に放り込む。
女将にあいさつを済ませひとっ走りする。
街中は碁盤の目のようになっており、迷わないように目印を覚えつつ街を走る。
武器屋や防具屋なども見つけロバートにこれ以上迷惑をかけないためにもきちんと買おうと考える。
酒屋、食料品店、肉屋なども見つけ自炊も視野に入れようと考えつつ宿に戻る。
「朝食食べれるよ、すぐに食べるかい?」
元気の良い女将にすぐに食べると答え席に着く
「はいよ!おまたせ。」
出てきたメニューは昨日の固い(硬い?)パンと塩野菜スープだった。
うん、宿を変えよう。この食生活はきつい・・・ホカホカご飯が食べたい・・・
食料品店も寄ろうと心に決める。
モソモソと食事を済ませ、チェックアウトするとまずは散々ロバートに注意されたため武器屋に向かう。
まだ朝は早いが奥から槌の音が響いている。
「おう、らっしゃい」
愛想のない大男がカウンターで鞘の細工を施していた。どうやら店主のようだ。
冒険初心者であることを話し武器を見繕ってもらう。
「予算もあるだろうが初心者ならこんなもんだな。」
と短剣と少し長い小剣、両刃の剣とこん棒、片刃の斧、小さな盾が出てきた。
「短剣は1本はもっときな、剥ぎ取りから予備武器としてまで幅広く使える。」
納得しつつ片刃の短剣を一本選び、主武器となるような物を探すが出して来て貰ったものはしっくりと来ず、店内を探すことにしてみた。
「振ってみたいなら裏に庭があるからそこでやりな、店内で振り回すなよ。」
そう言われ、両刃の剣、斧、槍、こん棒も試してみるが今一つしっくりくるものが無かった。
すべてが軽く感じられ重そうな武器を探してみる。
両刃の大剣、鉞、などを見ていた時、店主の後ろに鉄の棍のようなものがあった。
「ん?この棍が気になるか?防犯のために作ってみたんだが使うことが無くってな~」
ガハハと笑う店主に頼み持たせてもらうと重みが気持ちよく、外で振ってみることにする。
余分なものがついていないので振り回しやすく使い勝手が良かったため店主に交渉してみた。
「使ってない飾りのようなもんだから材料代だけでいいぞ。短剣と合わせて8銀貨だ。」
銀貨を支払い店主にお礼を言うと
「おう、これはおまけだ。大剣吊るす帯だがいけるだろう。」
と肩から掛けられる帯をもらった。再度礼を言い剣帯で肩から鉄棍を担いで店を出た。
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