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米を求めて東方へ  作者: セキュル
1/61

1 プロローグ

初連載となります。

「ぬ。」


見知らぬ場所での目覚め、何もない空間だったが不思議と落ち着く雰囲気であった。


「ここは・・・」


意識を失う前のことが思い出される。

子供が車道に飛び出し、そこへ通りがかったトラックを見て助けに行ったのを思い出す。


「そうか・・・死んだか・・・思ったより早かったな」


老人は妻に先立たれてから定年後の楽しみとしてラノベを読んでおり、新刊を買いに行く途中で子供を助けることになったのだった。

気配を感じ振り向くと、そこには三つ指をついた狐の面をかぶる着物姿の女性がいた。


「私はかの地を守護する稲荷にございます。この度は我が子を救っていただき感謝いたします。」


稲荷の説明をかみ砕くと

・稲荷の子が人に化けて人里に遊び行った。

・人里のルールも分かってないので悪戯などを繰り返していた。

・車道に飛び出し、助けてもらった人が死んでしまった。

・人里に行くための体没収、エンドレス写本の罰則中


エンドレス写本というのは、俺に対する詫びとして徳を得るために行っているそうだ。


「その徳が貯まれば生き返ることでもできるのか?」


「さすがに肉体がもうすでに荼毘に付されているのでそのまま生き返ると言うことは出来かねます。」


稲荷の提案は3つ

・子狐の使っていた体を使う

・写本を続けてもらい、ここに留まり転生に入る

・徳が少なくても体を作成できる異世界へ移動



子狐の体を使う場合は当然戸籍など無く、住所不定無職となり、さらに今までいろいろやらかしていたツケが自分に降りかかる。

写本を続けてもらった場合は次の転生で運がよくなったり、裕福な家庭に生まれやすくなるらしい。

異世界への移動は地球より徳の価値が高いらしく、特典と言って良いような技能などが貰えたり、今の記憶を持ったまま異世界に行けるらしい。


ラノベなどが好きでよく読んでいたが異世界に行けるとなれば是非もない。


「定年後の密かな楽しみが現実になるとはな。」


妻は15年も前に先立たれ、息子は引きこもっていたが前の勤め先に無理を言って、引き取ってもらい社会復帰を果たしている。

ラノベなどはもともと息子の部屋にあったものを読み始めたのが切っ掛けだった。


「さて、それでは送ってもらおうか?」


稲荷は心底不思議そうな様子であったが


「ご要望などは無いのですか?」


とだけ付け加えてきた。


「要望か・・・老い先短いから異世界を堪能するために、少し若返らせてくれるとありがたいが?」


「それだけ・・・ですか?・・・分かりました。若返り以外はこちらで見繕わせていただきます。」


老人を送った後に稲荷は一人ごちる


「欲が無い人の転生も疲れるのね・・・」


遠くで子狐の叫びだけが残る空間であった。

















プロローグ 1 2 4話となっていたので

プロローグを1に 1を2に 2を3に変更しました。

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