表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クエストを達成して強くなる  作者: ミカタナ
36/36

36

「今日はジルのレベル上げをしたいと思います」


皆が集まる中、今日の目標を言う。


「どこでするの?」


アリシアが手を上げ質問する。


「町の外周辺でしようかなって思っているんだけど、これから冒険者ギルドに行って他にめぼしいところがあればそこに行きたいと思う」


考えながら言うとステラが手を上げた。


「ジルは武器を持ってないにゃ~。まず武器屋に寄ったほうがいいにゃ」


「それもそうだね。ジルは魔法を使えるかわからないから身を守る武器が必要か」


じゃあ、武器屋によってから冒険者ギルドだね。


「楓姉さん……。僕戦えないよ?」


「別に戦えなくてもいいよ、でも最低限の身を守る為にジルはレベルを上げて強くならなきゃいけないと思う」


この世界の人たちはレベルが上がれば身体能力が上がるみたいだし、ある程度は上げておいた方がいいだろう。


「楓姉さんに助けて貰ったんだもの……。僕、頑張ってみるよ」


ジルは両手を握り締めて眉を上げる。


「うんうん、そうと決まれば武器屋だね」


「いくにゃー!!」


それから私達は一番目立つ所にある武器屋にやってきた。

中に入るとずらりと並んだ武器の品揃えの良さに驚く。


わー鎌とかあるー。持ち運びが不便そうだけど鎌ってなんかカッコイイよね。


飾り棚にある鎌を私が見ているとジルが真剣な表情で武器を見ていく。


ジルに持てるのはナイフとかかなー? 昔の私は剣が重くて振り回せなかったもん。今の私なら余裕だけどね!!


ジルに先輩風を吹かそうと近づいていくとジルはある武器を持って私の前に来た。


「僕これが良い!!」


ジルは自分の身長より大きいハルバード軽がる持ち私に見せる。


以外に力持ちだな……。


「こんなに大きいの振り回せないんじゃないの?」


「でも僕これが良いよ楓姉さん、お願い」


私が疑問を口にするとハルバートを抱きしめるようにジルは持って上目遣いで見てくる。


「不自由に感じたら言うんだよ?」


「ありがとう!!」


ジルが嬉しそうに笑顔で礼を言うので私も少し笑顔になった。

ジルの素材回収用のナイフも選んで早々とお会計を済ませると四人は冒険者ギルドに向かうことにする。


冒険者ギルドは相変わらず他の支部と同様な作りをしており見つけるのは容易だった。

中に入ると悪人面の人たちがたむろしており私達を見ると下品な笑みを浮かべる。


うわーいかにも悪人って感じだね。


「おう、姉ちゃん達。俺達と遊ばないか?」


にやにやと声を掛けてくる冒険者を無視して依頼書が張り出されている掲示板に進む。


依頼書を見ていくと護衛や用心棒の依頼が高額で張り出されているが私には関係の無い依頼だ。

さらに見ていくと討伐の依頼があった。


なになに? 町周辺にいる魔物の駆除に後は二時間ほど歩いた所にあるトロールの野営地に赴いてトロールの討伐依頼があるな。それと芥子畑に出る芋虫の害虫駆除かー。


うーん、どうしよっかな? というか芥子って……。まあ、これでいいかな。


私は依頼を決めて受付に行く。

茶髪にウエーブが掛かった女性が受付をしていた。


「何か御用ですか?」


お姉さんはやる気がない様子で話しかけてきた。


「この依頼を受けます」


私がトロール討伐依頼をお姉さんに渡すと私の顔と依頼を交互に見た後、冒険者ギルドのカードの求められたのでお姉さんに見せる。


「Bランク……! いえ、それなら大丈夫です。依頼受付完了ですのでお気をつけていってらっしゃいませ!!」


カードを見せると途端に態度が変わり、はきはきと処理を終わらせたお姉さんに礼を言うと近くにある素材買取にてキラービーの巣を全部売り払う。


キラービーの巣はそこそこの価格で売れたし、アイテムボックスはほぼ空になったので一石二鳥だね!!

これでトロールを思う存分倒せるというものだ。

おそらくクエストが達成されてそしてジルのレベルも上がって万々歳になるはずだ。


そういえばアリシアのレベルはいくつになったのだろう? 聞いてみるとアリシアは受付の人にカードを出して私に見せてくれた。



名前:アリシア

レベル:48 

ランク:D


へぇ……結構上がったのかな? だが冒険者の平均レベルが分からない。

うーんでもどこかでレベル50で上級冒険者とか聞いたような……。どこだっけな?

でもそれが本当ならアリシアは後少しで高レベルの冒険者だね。

ちなみにステラのレベルを聞いたら60くらいにゃ~と曖昧な返事が返って来た。


ジルの冒険者登録を済ませて外へ出ようとするとさっき無視した冒険者が突っかかってきた。


「俺を無視するとはいい度胸だな。ちょっと体にいう事を聞かせてやらねぇと駄目みたいだな」


指をポキポキと鳴らし冒険者は私の前に立った。


「手加減してやらねぇと泣いちまうぞぉー」


遠くの席に座る男がげらげらと笑いながら野次を飛ばす。


なんて風紀が乱れたところなんだ……。


内心呆れながらもこの状況をどうするか考える。

ちらりと後ろを見るとアリシアが拳を握り前に出ようとしているのをステラが止めていた。

ジルは怯えながらも私の裾を握り締めるので優しくジルの握る手を解き冒険者を見据える。


「お? 謝る気になったか? 詫びに一晩中付き合って貰うがな」


冒険者は下品な笑みを浮かべて腕を掴もうとした。よし、これで正当防衛だ。

必殺、わりと痛めの平手打ち! 冒険者は悲鳴すら言わず冒険者ギルドの壁に叩きつけられて、地面に倒れた。辺りが静寂に包まれた後、冒険者のすすり泣く声が聞こえてくる。


「あいつが泣いちまったよ……Bランクなのに……」


野次を飛ばしていた冒険者がぽつりと恐れるように呟いた。


「行こう皆」


しくしく蹲って泣いている冒険者を見る事無くジルの手を掴み出口へと向かう。


「楓姉さんって強いんだね。僕も強くなりたい」


キラキラと目を輝かせるジル。


「楓に突っかかるからそんな目に合うにゃ」


ステラは舌を出し冒険者を見下ろしてからついて来る。


「大丈夫……楓?」


アリシアが小走りで私の横に来て聞いてきたので大丈夫と返す。


あー変なのに絡まれちゃったな……。気分治しに魔物を狩らなきゃ。


ダモクレスの町の門から出て一同は周辺の魔物を狩りながら地図を頼りにトロールの野営地に向かうことにする。


フォレストボア:18/30 攻撃力+30 ペット:攻撃力+15 討伐


エント:1/5 体力+20 ペット:体力+8 討伐


ゴブリン:4/10 器用さ+12 ペット:器用さ+5 討伐


コボルト:4/5 素早さ+10 ペット:素早さ+4 討伐


ビートル:1/10 防御力+15 ペット:防御力+6 討伐


フォレストスネーク:3/5 攻撃力+10 ペット:攻撃力+4 討伐


トロールの野営地は森の奥深くにあり森に入ると魔物が次々に襲い掛かってきた。

魔法を撃ったり、剣で突き刺したりしながら先へ進む。

目新しい事と言えばクエストに載っていなかったゴブリンがクエストに載ったことだ。

やはり原因はダンジョンに合ったのだ。ダンジョン産のモンスターはやっぱり討伐数に入らないみたいだ。

なんでだろう? そして久しぶりに魔物狩れて私は喜びが溢れてくる。


「フリーズ」


フリーズを唱えると周辺は雪景色になってゴブリン達は氷漬けになった。

氷の中にいるゴブリンを見たあと剣で一閃すると氷は真っ二つに割れる。

氷と共に切断されたゴブリンを見下ろし足で氷を砕いた。

ガシャンとゴブリンが砕けて飛び散って行く。


ベアトリスは結構良い魔法をくれた。


性格は問題だがフリーズをくれた事は感謝しないとね。



襲ってこない魔物は気配感知に引っかかるたびに剣で刺し貫く。

木に化けているエントは焼き殺した。

ゴブリンは集団行動が基本みたいだが、敵わないと分かると散り散りに逃走しだすのでフリーズで一気に仕留める。


コボルトは集団と単体で半々だったので臨機応変で対応を変えた

時々上から降ってくるフォレストスネークは頭を剣で切断する。

魔物を狩っている時にふと思い出す。


……そういえば死の宣告を試してみても良いかもしれない。


「死の宣告」


逃げ出そうと背を向けるゴブリンに死の宣告を唱える。


ゴブリンは逃げる為に走っていたが突如パタリと倒れた。

倒れたゴブリンを足で転がすと死んでいた。ゴブリンの体には傷一つ無かった。


即死魔法なのかな? 私はグリモを呼び出し魔法の錬度表を見る。



ウィンドカッター:600/700:風属性威力+7

ヒール:699/1500:光属性威力+15  

アクアボール:214/400:水属性威力+4

ファイア:599/600:火属性威力+6 

ポイズン:284/400:水属性威力+4

フォトン:6/300:光属性+3

ライト:82/100:光属性+1 

メテオ:2/100:無属性+1 

フリーズ:16/100:水属性+1

死の宣告:1/100:闇属性+1



とうとう闇属性を覚えたぞ!!


闇属性はなんとなくかっこいいね。

よーし、これで魔物をどんどん狩るぞー。

私はさっそく木の上にいるフォレストスネークに死の宣告を唱えると、ぽとりとフォレストスネークが落ちてきた。


「楓とっても嬉しそう……!!」


「楓は相変わらずとんでもないのにゃ……」


アリシアは手を合わせて喜ぶがステラは冷や汗を流しながら楓を見ている。


「僕、楓姉さんみたいになれるかな?」


ハルバードを抱きしめたジルが上目遣いで聞いてくる。


「んー? なれると思うよ?」


「本当?」


「ジルもレベルが上がればこれぐらい余裕でできるようになるよ」


「うん」


私がジルの目線に合うようにしゃがむとジルは恥ずかしそうに笑う。


そういえばジルは両親に売られた子供らしいけど何時から奴隷になったのだろう?  


「ねえ、ジル? 言いたくないなら言わなくていいのだけど貴方が奴隷になったのは何時ぐらいなの?」


私はあえてジルのとって話したくないだろう事を聞く。


「ラメルダ様の所に来たのは一月前だよ……。僕はお母さんとお父さんに宿で待っていなさいって言われて待っていたら知らないおじさん達が来てそれから僕は……」


ジルは目を伏せて震えながら語る。


「ごめんね、ジル」


そんなジルを見て私はジルを抱きしめる。


「お母さんとお父さんに会いたいけど、楓姉さん達がいてくれるなら僕寂しくないよ」


ジルは私の背中に小さい手を回す。


「ジルは今でも充分強いよ」


「楓姉さんはとても暖かいね……」


ジルの震えが治まった頃合を見計らって離れるとジルは名残惜しそうにしていた。


「さあ、トロールの野営地に行こう!」


張り切って皆に声を掛ける。


「楓は愛を振りまき過ぎなのにゃ……」


呆れながらステラに言われるが何の事かさっぱりだ。


森の奥へと進んでいくとトロールが出没するようになった。

トロールの見た目は色は緑色で身長が2メートル近く、耳が長く布切れ一枚を着て棍棒を持って闊歩している。そんなトロールの心臓を剣で一突きして素材を剥ぎ取り辺りを見回す。


そろそろ野営地に着く頃合なのかも?


数が多くなっていくトロールを気にも留めず倒していくと村のようなところに着いた。

すかさず草むらの中へ隠れる。

以前此処らへんに人が住んでいたと思われる痕跡があるのでそこを占拠して暮らしていると見える。


此処まで来たならいいよね。


「楓……立ち上がると見つかっちゃうにゃ……」


黙って草むらから立ち上がる私にステラはしゃがませようとする。


「メテオ」


引っ張るステラを気にせず私は野営地に向かって魔法を唱える。

唱えてから数秒後に隕石がトロールの野営地に向かって振ってきた。

ドカドカと降り注ぐ隕石にトロール達は逃げる間も無く潰れていく。


村をトロールの野営地にされるぐらいなら徹底的に壊しつくせばいいだけの事。

そうすればトロールの脅威も無くなりダモクレスの町も喜ぶ、私もクエストを達成できてお互いが得できるのだ。


本当は森でもメテオを打ちたかったが生態系が崩れて混乱を呼ぶ事態は避けたいので我慢した。

グリモを見ると次々と達成の文字が足されていく。


わあ! 凄い!!


私は湧き上がる達成感に喜びながら村が跡形もなくなるまでメテオを打ち続けた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ