第7話 : 兎を追って
はいこんばんわぁ。ぎんこでぇす。7話となりましたぁ。毎日更新をもくひょぉにがんばりまぁす!
姉「直士ぉー!そろそろ行くわよー!」
「今行くー。」
さて…姉の誕生日から1週間がたち今日はいよいよ兎の髪留めをした女の子の謎を解くため陸上部に潜入する。もっとも陸上部の女の子と断定したわけではないがどうせ疑問が解けるまでとことん調べるつもりだったからひとまず彼女を探ることにした。
姉「シートベルトしなー。」
姉に言われ車に乗った俺はシートベルトをしめた。問題はどう陸上部に潜入するかだ。いくら気になるからといえコーチを頼まれた姉についていってただ見ていると言うのは陸上部からしたらコーチを頼んだのは、OBの秋絵さんなのになんだあいつは?ということになりかねないのではないか、と思った。そこで俺が考えた案だが……。
姉「着いたわよー……告白がんばれよ!( 笑 )」
学校に着いた。そーいえば1週間もたつのにまだ姉には告白する気などないことを言っていなかった。まぁ姉には霊についての話などする気もないし、仮に話をしたとしても信じてもらえないだろう。というわけで俺は今日は告白をしに来た設定で最後まで貫くつもりだ。
「初めまして!つ、津鵡人 直士です!今日は、陸上部に入部したくて見学に来ました!よければ一緒に練習に参加させていただくつもりです。よろしくお願いします!」
そう。これが今日の俺の作戦だ。入部希望の見学者が来たとなれば別にとても邪魔ということにはなるまい。
:「秋絵さんの弟なんだってね。自由に見学してってよ!ただし、練習に参加するのは構わないけど邪魔はしないようにね。」
そう、陸上部の顧問の先生から言われた。
「「気を付け!礼!よろしくお願いします!」」
一列にならんだ陸上部の一番はしに立ちともに挨拶をした。最初は学校の外周を5周するというメニューだった………。正直甘く見ていた( 笑 )外周は約3kmのコースだ。その中に上りと下りの箇所がいくつもあり、その厳しいコースを5周。つまり15kmを走らなければならなかったのだ。しかし驚くべきことに陸上部はなんなく俺を周回早く追い越して行った。流石と言うべきだろうか。これが最初のアップというのだから、俺は本当に笑えないと思った。
「はぁ…!っ!…はぁ!はぁ!あっ…!」
俺はようやく3周目に入ったのに4周目の先輩が俺を追い越して行く。
:「まぁ、今日は見学だし、自分のペースで頑張れよ!」
「は、はい!」
そう言ってさらにペースをあげ、やがて先輩は見えなくなってしまった。
?「はぁ!はぁ!…はぁ!はぁ!っ!くっ!」
後ろから声が聞こえる。俺より遅い人いたのか?振り向くと、兎の髪留めをした女の子が涙がでそうなくらい必死な顔で走っていた。
?「はぁ!…っ…き、君は!あ、あの時の!」
走りながら目があった彼女が話しかけてきた。
「覚えててくれたんだ…!あの時の転んだ人です!」
さて、どうやって探りを入れる。
?「あの時は、すみません…っでした!急いでて…ちゃんと!お詫びもできず…っ」
「いいっていいって…!そのジャージの色俺と同じ一年…だよね!…よ、よろしく!」
なんだかぎこちない挨拶になってしまった。だがきっかけはできた。星空ちゃんが見たことについて聞かなければ。
?「こ、こちらこそ…!よろしくね!直士君…えと!私は、早川…!早川 未歩!…はぁ!…みほって呼んで!」
「よろしくね…………未歩…」
結局走りながらだと息があがってうまく会話ができなかった。走り終わると全身から額から吹き出した汗を拭い少し休憩した…………まじで死ぬ。アップの終わった先輩達はすでに各自の種目で練習を始めていた。高跳びを指導しているのは姉ちゃんか。未歩に近づかなければと思ったがちょうど彼女は姉のいる高跳びの所で指導を受けていた。これは近づきにくい。
結局午後7時に練習が終わったが未歩に近づくことはできなかった。
「「気を付け!礼!ありがとうございました!」」
こんな練習毎日続けていたら帰宅部の俺は死んでしまう!そんなことを思いながら帰ろうとしたとき部室に未歩が残っていた…………これはチャンスだ!
「お疲れ。」
:「直士くん!お疲れ様。」
彼女は練習の時に着ていたジャージを鞄にしまっていた。今日一日我慢したんだ。そろそろ話を進めさせてもらおうか。
「突然…なんだけどさ。未歩、最近身の回りにおかしなこと…とかなかった?…急に変な質問してごめんね……なんでもいいんだ!何か変わったこと…とか…気になることない?」
:「…………………今日…一緒に帰らない?…」
彼女がそう言ったので何かあるとみて姉には車で帰ってもらい、彼女とは暗い夜道を一緒に歩いた。
:「…直士君の言ってたこと……実はね…おかしなことが…あったんだ…。本当におかしなことで…こんなこと話すのもどうかと思うんだけれど……直士君が何を聞きたいか分からないんだけど……話だけでも聞いてくれる?」
「いいよ、俺でよければなんでも聞くよ。」
質問したのは俺なんだが、でもまあ何か分かるかもしれないし話は聞いておこう。
:「…ありがとう…」
:「実はね、同じ陸上部の友達で入院してる子がいるの…。私と同じで今年入部した仲間で…一緒に練習がんばろう……って……トップ目指そう……って…………皆で今年叶わなくても来年…来年叶わなくても再来年には絶対全国に行こうって…約束したの!…」
彼女の目には眼を歪めるほど涙があふれていた。
:「なのに……2人とも…っ…意識がしっかりしなくて…このままじゃ…私っ…!…陸上…続けられないよ…!」
…………2人!………どうやら未歩に近づいたのは間違いなかったようだ…。だが、その2人が病院に入院するまでのけいいがわからない。
「入院中の2人はどんな現状…なの?」
:「一人は…意識不明…。もう一人は……錯乱…してるらしいの…。一体……何があったの?…2人とも何にも悪いことしてないのに!どうして!……どうしてなの?…」彼女は立ち止まって泣き崩れる。
膳「それは、君が悪い子だからだよ♪( 笑 )」
?!?!…!俺と彼女の少し後ろの薄暗い夜道からぬっと膳さんが顔を出した。どうして膳さんがここに?!そもそも今言っていたことはどういうことだ?!
未歩「わ、わたしが…?悪い子っ……てどういう…意味ですか?…そもそもあなたは誰なんですか?!」
未歩からしたら当然の言葉だろう。ただでさえ不安定な精神状態のなか知らない男に急に訳のわからないことを言われたのだから。
「ぜ、膳さん…。その…どういう意味です…か?」
膳「おっ!直士君!おひさ( 笑 )…言葉通りの意味だよ。その2人が今も病院のベットの上でおねんねしてるのは彼女が原因なのさ♪」
どういう………ことだ?!
未歩「どういうこと…ですか?!…私は何もしてません!…」泣きながら彼女は膳さんに必死に話しかける。
膳「本当にそうかな?( 笑 )じゃあ、なんで今君はそんなに笑っているのかな♪( 笑 )」
未歩「………えっ……」
!!!暗闇でよく見えなかったが彼女の目は溢れんばかりの涙を浮かべていた……だが口元はとんでもなくつり上がりまさに笑った顔をしていた。
膳「君はあの2人を病院送りにした張本人だよ( 笑 )」
未歩「そ、そんな…わ、わたしは…ハハッ…2人と約束をして…ハハハッ…皆で一緒に頑張ろうとして…ハハハッ」
話についていけない!?膳さんは何を言っているんだ?未歩もなぜ笑っている?!
膳「君のやってる陸上の種目は~、何だっけ?( 笑 )」
未歩「わ…私の種目は…ハハハッハハッ…高跳びで……友達2人も…高跳びで…ハハハッハハハッ…一緒に頑張ろうとしたけど…ハハッ…私だけ努力しても…上手くならなくて…2人とも…ハハハッ…どんどん上手くなって…だんだんハハハッハハハッハハハッハハハッハハハッ目障りになって…いっそいなくなればいいと思って……ハハッ。」
未歩?!ど、どうしたんだ?!あきらかに俺の知っている未歩ではない!何をそんなに…笑っているんだ!
膳「いなくなればいいと思って…君はどうしたのかな?( 笑 )」
未歩「……ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハいなくなればいいと思って!!私が2人を病院送りにしたのよ!憎い憎い!一緒に頑張ろうって言ったのに2人だけ!どんどん上手くなって!アヒャッアヒャヒャヒャ!ずるいずるいずるいずるいずるいずるい!!!約束を裏切ったんだから!ハハハッ当然のむくいだ!ヒャァァアヒッアハハハッ!!」
膳「ほぅらでてきた♪( 笑 )」
!!笑っていた彼女の顔は、いつの間にか目はとてもつり目になり、眉間に険しいしわをよせ、口元はさらにひきつり、なんというか……まるで狐のような顔になっていた。
「ぜ、膳さん!これは?!!」
膳「こいつぁ狐憑きだ~。言わいる憑依ってやつで低級な動物霊かなにかが彼女の体に取り憑いたってわけさ( 笑 )直士君は見るのは初めてだよね♪こいつの除霊にはちとこつがいるのさ♪」
まだ全ては納得していないが確かに辻褄があう!彼女がどうやって2人を病院送りにしたかは分からないが取り憑いた霊と彼女自身が呪いの力で陸上部の2人に呪いをかけたのだ。そして彼女の姿、そして膳さんが現れたこと!これは霊絡みの事件だったのだ。
未歩「妬ましい!妬ましい!妬ましい!妬ましい!妬ましい!妬ましい!妬ましい!妬ましい!妬ましい!妬ましい!妬ましい!妬ましい!妬ましい!!!!アヒャヒャヒャヒャヒャヒャッ!!アハハハハハハッ!」
?!!!!早い!!そう思った時にはもう遅かった……。目にもとまらぬ速さで俺の懐に入りいとも簡単に俺の腹を引き裂いた…………。
「ああ!!!あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああいあああぁ!!!!!!!!!!!いぃぃあひゃぎやたぁ!!!いいいいぃぃいだぃぃぃ!!!!ぐぷぁっ…っ…がぁぱゃひっ……!!?」この感覚、久々に忘れていた…。痛みという感覚がじわじわと蘇ってくる。俺の腹からも口からも血が止まらない。
「おふぅっ!かはぁぐはっ!…あぁっ!…あぁっ!!………!!」俺は口からの吐血などまだ優しいことだと地面に倒れた自分の体を見てわかった。内蔵が…いや…この場合だと自分のモツ…つまり腸が地面にぶちまけられ、その臓物の中まんべんの笑みでこちらを見つめる化物が立っていた……!
未歩「内蔵がな、な、な、内蔵が!!!ががが!アヒャヒャヒャヒャヒャヒャッ!!!地面にでてるよぉ!?でちゃってるよぉ?アヒアヒッ!ハハハハハハハハハハハハッ!!綺麗だね?!そうだね?!フフフフッ!」
「痛い痛い痛い痛い!!痛い!痛い!ガフゥア…熱いよ!助けて!助けて!助けて!助けて!助けて!助けて!助けて!助けて!助けて!助けて!助けて!助けて!助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けてえええええええ!!!!」
何も考えられない…。文字通り頭が真っ白だ…。この感覚…………前にも経験したな……。
膳「だらしがないねぇ直士君はー( 笑 )呪いだって使えばいいのに。ま、今のは発動する時間すらなかったからしょーがないか( 笑 )」
未歩「次はあなたのばんよ?ヒヒハヒヒヒヒヨユフヒヒ!!直士君みたいに綺麗な臓物汚くまき散らせて!暖かい血を浴びせて!その余裕そうな顔を悲惨に歪めてよぉひっひっ!!アハハハッ!!ハハハハッ!!」
直士君はおねんねしてるし最初から僕がやるつもりだったからちゃっちゃとすませますかっ♪
膳「呪禁開放っと♪」
直士君は僕の呪い見られなくて残念だね( 笑 )
未歩「ヒヒヒッヒヒヒッヒヒッヒヒッヒッギャァァアアアアアアアイ!!!!!!!ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!アィガッハァニギャタラ!!!ッオヒィ!」
膳「ふっふー( 笑 )痛いかい?直士君にはお披露目できなかったけど僕の呪いは重力を操る能力なのさ♪正確にいうと大気中の霊気を圧縮し重力を使って力を対象に伝えているんだけどね( 笑 )今君には、ちょっとでも気を抜くと原型がとどまらないくらい潰れるほどの力をかけてるよ( 笑 )2人も病院送りにしたんだ。これくらい当然だよね?( 笑 )」
だがまあこれはあくまで狐憑き。彼女に取り憑いている霊自身を取り除かない限りには決着はつかず彼女自身を殺してしまう。人殺しはできないし、流石に笑えない……けどまあ取り除き方は知ってるしさくっとやりますか( 笑 )
膳「呪禁言言♪」
簡単な方法だけど呪いの扱いになれたものでないとこれはできないね( 笑 )獄と書かれた左手に呪いを集中させる♪この左手で彼女の体を掴むと♪
未歩「ギャアガハッシヤヒャァァア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア!゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア!゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!!!!!イダイイダ!イイダイイダイ!イダイイダ!イイダイイダイイダイ!!!」
彼女の自身の魂とそれにひっついた霊の魂をひっぺがすことができるってわけさ( 笑 )
膳「ほらとれた( 笑 )地獄で反省しろ。」
彼女からはがした子狐の霊は目から涙を流しながら消えた。彼女の顔も元通りになった。
膳「おおっと( 笑 )忘れてた( 笑 )直士君直してあげないと♪」
………………………………??
「あ…あれ?」
俺はいったい?脳内にさっきまでの出来事がフラッシュバックし一気に心臓が脈を打ち始める。そうだ!未歩は!膳さんは?!どうなった?!
膳「おはよう直士君( 笑 )また直しといたから♪」
!!まだこの流れには慣れない…。だが彼女に裂かれたはずの腹は全て元通りになっていた。
「また、助けられちゃいましたね。ありがとうございます。それで彼女は?」
地面にしゃがんでいる膳さんの目の前に元通りの顔に戻った未歩が倒れていた。どうやら意識をうしなっているようだ。
膳「安心しなよ♪無事彼女についてた霊は取り除いといたからさ( 笑 )直士君も仕事してよね♪」
「す、すみません…。」
膳「これで呪いは解けた♪入院しているお友達というのも時期に目が覚めるだろう( 笑 )…ただ……彼女についてた霊からは呪いをあまり…というかなにも感じなかったんだよね?悪意のない霊が気まぐれに人に取り憑くとは思えない( 笑 )…僕の考え過ぎかな♪」
膳さんの言っていることがどういう事なのか分かるようでいまいち分からなかった。だが流石の膳さんも苦笑いしていた。
翌日の部活で
未歩「昨日のことはいまいちよく覚えてないの…。なんだか分からないけど直士君が私を助けてくれたんだよね??…さっき病院から電話があってね…2人とも目覚めたんだって!…私2人のこと少し憎んだり…したこともあったの。でもね!それは間違いなんだって!自分で追いつく努力が足りなかったんだって!分かったの!これから2人のところに行って自分の気持ちをしっかり話して謝ってこれからのこと、たくさん話そうと思うの!直士君はやっぱり陸上部には入らないんだよね?でも話聞いてくれて…私をどうしようもない気持ちから救ってくれて…ありがとう!」
彼女はただ笑いながら俺に言った。これが彼女の本当の笑顔なのだと思った。太陽よりも眩しい彼女の笑顔は俺をも笑わせてくれた。
「俺は何もしてないよ。未歩が自分で乗り越えただけでしょ?何か悩んでたみたいだけど解決してよかったね。」
本当に俺は何もしていない。今回は全て膳さんが解決した。もし膳さんが来ていなかったらと思うとぞっとする。俺もまだまだ弱い。呪の発動だってできなかった。これからは、もっと…もっと強くなりたい!
未歩「本当に…ありがとう。それじゃ、私そろそろ行くね!なにか困ったことがあったら今度は私が話聞くから!」
そう言って彼女は走り去っていった。俺も家に帰るか。
姉「なにー?あんた告白成功しなかったの?!私がせっかく一肌脱いだと言うのに…!」
家に帰るなり姉と告白についてのことを語り少しホッとした。3日後には学校が始まる。
「さてとっ!溜まった課題、やりますか!」
……………………………………………………………………「失敗したか…上手くいけば地獄の奴らを殺せると思ったが………まぁ低級な動物霊など差し向けても結果は見えていた………………次はもう少しキツめの奴を差し向けると……するか……」………………………………………………
久々にあきばがこいしくなりましたぁ。