第5話 : 輝く星空は紫の如く美しい
第5話でござぁいまぁす。夏休みの課題におわれてなかなかできなかったんですがぁ、少し時間を作って書きましたァ。これからもまったり書きまぁす。
ふっふっふっ( 笑 )
ふっふっ!はっはっはっはっ!!( 笑 )
何を隠そう!津鵡人 直士です!( 笑 )
なぜこんなにテンションが高いかって?そう。なぜなら今日は補習最終日だからですだよ!長かった!…本当に長かった!この補習が!遂に終わりをつげようとしてるのですよ!
後10秒!
……………カチっカチっカチっカチっ…キーンコォーン
「いぃよっしゃぁぁぁあ!!!!」チャイムがなり終わる前に座っていた椅子に足をかけガッツポーズをした馬鹿が1人蒸し暑い夏の教室にいた。…俺だった( 笑 )
「後は…あれだけ解決しとかなきゃな!」
地獄の使者としての仕事もだいぶ慣れてきたとはまだいえないが少しずつ霊達を助けることには、やりがいを感じ始めていた。あんなに嫌がっていたのに自然と嫌な気持ちはしない、なんてことはないが痛みや苦しみがともなう以外はそんなに嫌でもなかった。
今回の俺の仕事は
……旧北校舎の2階の今は使われていない第一美術室にさ……誰もいない筈なのに…何にも描かれていないスケッチブックに……勝手に絵が浮かび上がってくる……というよりは今も描き続けられてるみたいに見に行った子が…毎回違う絵を見たらしいの……
というわけだ…実際絵を見て気をおかしくしたり気絶する人がいたらしく霊がいるかは別として一応調べてみることにした。
「呪いの絵?ってことかな?…出来ればなんもでないでほしいんだが…」
俺はフラグをたてるのがうまいと心の中で思った。
相変わらず旧北校舎は薄ら寒い。2階の第一美術室は階段を上がって右手にあるはずだ。
「……ここかっ…前回みたいな寒気はあんまりしないな…」
美術室の入口のドアを開けようとしたとき
ガリガリガリガリガリガリガリガリサラサラシュッ…シュッサーッサーッサーッサーッシュッガリガリガリガリシュッ
おいおい。まじかよ。
なかから廊下にはっきりと聞こえる程何かを描く音が教室から聞こえた……ゴクリッ…
ガラガラ…
:「ん?誰だ?」
ショートヘア、肩に少し髪がかかるくらいだからボブか?目は灰色で、ってそんなことはどうでもいい。中には手や服を少しばかり絵の具で汚した女の子がキョトンとした顔でこちらを見ていた。
:「誰だか知らないけどー。今はちょっと…邪魔しないでくれるかな?…」
俺も聞きたいことが色々あったが、がまんした。
「あ、あぁ。分かりました。」
:「おーい。おーーーーい。起っきろー!」
暗い瞼を開ける。いつの間にか椅子に座って寝ていたらしい。彼女は絵を描き終えたらしい。
「すみません。眠ってしまって…」
:「あぁ、別にかまわないよ…それで?私に何の用?」
そうだ色々聞かねば。
「じゃぁ、質問させてください。貴方は霊ですよね?」
:「うん。そうだ!」
「ここで、何をしているんですか?」
:「見てわからなかったのか?絵を描いていたんだ♪」
うーむ。どうも悪意がある霊ではなさそうだ。
「なぜ絵を描いていたんですか?」
:「いやー。昔この旧校舎で火事があったの、知ってるか?私は普段通りに授業をうけていて火事の時も冷静に校舎の外へ逃げることができた……けれど、私は描き途中の絵を思い出したのだ。大切な大切な絵で取りに戻ろうとしたんだ。煙の中視界がぼやけて良く見えない中階段を上りこの美術室が目に見えたところで煙が肺に充満し、私はそこで死んでしまった。」
「そんなことが…。」
:「まぁ!何が言いたいかというとな、描き途中だった絵を生きているうちに完成させらなかったのが……ちょっと…くやしくてさぁ。」
俺は彼女が下を向き静かに涙を流す姿を見て胸が熱くなり、なにかがこみ上げてきそうになった。
「これが、その絵…なんですか?」
彼女の完成させた絵を見ながら言った……彼女は小さく頷いた。
「とても………美しい…絵……………ですね。」
スケッチブックに水彩画で描かれたその絵はとても鮮明な青と水色の輝く空を手を伸ばす少女の絵だった。きっと彼女自身も必死になにかに手を伸ばしていたのではないだろうか、いや、きっとそうだ。
泣いていた彼女の体がすうっと薄い光を輝かせながら消え始めた。
:「絵ってのはさ、誰かに見てもらって初めて完成なんだよ。私も誰かに見てもらいたかったのかな………」
「俺が見ましたよ。と…っても美しい絵をですね…………」
なんでだろう。俺も涙がでてきそうになった…
:「あんた…なんて名前だ?…」
「俺は津鵡人…津鵡人 直士…です。」
:「私は、紫空…紫空 星空だ! 」
彼女は笑いながらそう教えてくれた。
「ってそういえばここにきて気をおかしくしたり気絶する人がいたって聞いたんですが。」
忘れていた。これが本当なのか確かめておかなければ。
:「? そんなやつは見てないぞ?そもそもこの第一美術室に来たのは津鵡人、あんたが初めてだ。」
彼女はおかしそうな顔をして首をかしげた。
:「…あっでもなんか旧校舎内を歩いていたとき今使われている校舎の裏で髪に兎の髪留めをした女の子が、生徒数名の頭に手を触れそのうちの1人が頭を抱えて叫びだし、もう1人はその場に倒れ込む…みたいな現場は目撃したぞ?」
??????どういうことだ?????
:「まぁいいや。私はそろそろいくわ。なんか大変なことしてるっぽいけど……頑張れよ♪!」
そう言って彼女は消えた。俺は彼女の言っていたことが頭から離れずしばらく美術室の中に立ち尽くした。
「今回は何も起こらず終わってよかったよ…………兎の髪留め…っか。そんなの何処にだっているだろ!すぐに見つかるわけが無い…」
1人で学校からの帰り道に呟いた。
向かいから走ってくる集団がいる。陸上部か。夏休みなのにこんな暑い中でも走ってるんだな。もう午後6時を過ぎたのに大変だな。俺は呑気にそう思った。
俺が歩いている横を陸上部の集団が走り去った後遅れながらに陸上部のユニフォームと思われるものを着た女の子が息をあげながら走ってきた。遅れるとおいてかれるのか…。厳しいなっと
?!
:「痛っててー。って!大丈夫でしたか?!すみません!ふらふら走っててぶつかっちゃいました!あ、あの急いでいるのでまた今度謝らせてください!そ、それじゃ!」
そう言って僕にぶつかって転んだ女の子は走りさっていった………………彼女の髪には兎の髪留めが…ついていた。 やれやれ、また不吉な予感がする。
地面にすわった体を立たせゆっくりと歩きながら俺はフラグ立てるのがうまいとあらためて思った。
糖分がたりてないぃ。