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98_認めたくないものだな、時間は残酷だがそれがいい。

 年を取ると、色々と能力が落ちますよね。客観的に見たり、論理的に考えたり、統計的に見ても、若者がその未熟さで失敗するのと同じ程度には、老人がその劣化した肉体とかでミスをすると思うのですが、どうでしょうね、日頃からぼんやりと感じている感覚ですので、もしかしたら、外部から印象を操作されている可能性はあるかもしれないと、考える今日のゴブリンです。


 実際に、とある国では、交通事故で、65歳以上の高齢者が起こしているものが増加傾向にあるそうですね、主に車に乗って移動している年代は、青年から中年くらいの人たちが多いので、事故全体でみると、このあたりの年代が加害者になっている、数が多いですが。

 どの層が増加しているかというと、やはり高齢者のようでして。もっとも、人口分布が高齢者よりになってきているので、母集団が増えているんだから、その分対象も増えるだろうな、とは思うのですけれど、そのあたりも加味して、高齢者が事故を起こす確率が増えている、としているのだろうな、と予想するのです。


 長生きで、いつまでも若く、なんでもできる高齢者とか、持て囃されている傾向があるような気がします。印象ですが、そのような歳の取り方に憧れる方々が、相当数いるのではないかな?と予想するわけです。

 さて、若い時と同じようなことができる、高齢者ですが、あくまでもそれは同じような、であって、その能力はおそらく全盛期のものから見ると、かなり劣っている、と予想するのです。もし若い時よりも肉体的な技能がすぐれているというならば、それは、もともとあまり高いレベルのものではなかったのだろうな、と想像できます。

 

 若い時と、同じようなことができる。元気なお年寄りが持て囃される、ような風潮が世間に蔓延すると、どうなるのか少し想像してみると、自分の老いを認めなくて、昔と同じことが、今でもできるんですよ、と過信する、とか夢を見る高齢者が増えてくるのではないかなぁと、もしくは、すでに増えているのではないかなぁと思うのです。

 

 考えてみると、この問題、お年寄りが過去の成功体験の積み重ねから、自分の技能に自信を持って、肉体的な衰えに気がつかずに、イケイケで行動してしまう、ということは、昔からあったのだろうなと、思いあたりました。

 年寄りの冷水とかいう言葉は、結構歴史ある含蓄ある言葉だと思うのですけれど、最近はあまり聞かないような気がします。高齢者が増えてきて、その面倒を見てくれる人が相対的に少なくなって、お年寄りに、お年寄りをさせられなくなってきているのかもしれませんね。


 それは、年寄りの冷水だから、およしなさい。という余裕が社会になくなってきているからこそ、元気に活動するお年寄りをもてはやしている、とも考えられるのではないかな?とかぼんやりと思ってしまうわけですが、この想像とか予想とか、それほど的を外していないんではないかなと、考えています。


 縁側でお茶を飲み、近所のお友達とボーと1日を過ごして、たまに来る孫の相手をしてやって、ゆったりと過ごすようなお年寄、ちょっと前までは、典型的なシンボルだったような気がするのですが、今は違うのでしょうか。


 老人力とかいう言葉が流行ったことがありましたね。詳しい内容は知りませんけれど。

 嫌なことを忘れるのは幸せなことで、いつの間にか何も分からなくなっていって、幸せという概念だけに包まれて永い眠りにつく、これはこれで良い終わりかたではないかと、想像できるのですが、そのような、ぼんやりと終わりを迎えるような、余裕が周囲になくなってきているということなのかもしれません。

 元気な高齢者も大好きではありますけども、それだけではないということでしょう、と言って綺麗にまとめて見ようとするゴブリンでありました。


「実は一緒に入るお墓も買ったんですよ」

「一緒になるのは、あなたの中では確定なのですね”ご主人様”」

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