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82_伸るか反るか。

 ギャンブル、賭け事で有名な枕詞のようなセリフですが、基本的には独り言で使用する部類の言葉ではないかな?と想像します。現実に生きていて、会話の中で使用する頻度の少ない、言葉なのではないでしょうか?

 簡単に検索してみると、語源は、矢を作る元となる竹?とかを加工する時に、曲がらないように乾燥させられるかどうか、が結構運頼みだったので、伸びているか、反ってしまって使い物にならないか、というつぶやきを意味する言葉から、生まれたそうですね。

 あと、賭け事に乗るという意味合いもかかっているそうです。加工技術が未熟だあった時代には、確かに、運に任せてするしかないとかいうパターンも多かったのかもしれませんね。

 そして、その状況に甘んじることなく研鑽を重ねたり、工夫をしてみたりして、伸るか反るかのような運まかせの要素を、なくしていったのだな、と想像すると、職人とか、発明家とかに頭がさがるような気になります。

 

 最後に運の要素が関わってくるのでもしくは、途中で何度か幸運が必要であるからこそ、完成品に価値があるようなものもありそうですね。芸術品とか言われるような分類のものでしょうか?製品、安定して作成できるという意味でのそれ、としては弱点であるけれども、運まかせということは、多分に、出来とか、独特な揺らぎとかが、その一つ一つの作品に対して現れるということですから、独自性とか、唯一のもの、とかいうブランドが発生するのでしょうね。


 機械による大規模生産、揺らぎなく、安心の品質、を売りにする商売は、基本的には大きな資本をもつシステムが手がけやすい形態ですから、個人で細々とやる、いわゆる職人芸とかいうものが、生き残るには、偶然に頼るシステムに、なっていくのでしょうか?

 こう、不便さや、歪みを味があると評価されるような、そのような空気を、環境を作り出されば、勝利条件に近づくのでしょうね。何を持って勝利とするかは、まあ、その個人の趣味によると思いますが。

 

 どちらが良いという話ではありませんね。まさしく趣味の範囲とか、どこにどれだけコストをかけるのかは、個人の生き方によるような気がいたします。

 すべて一品モノで、職人の手作りでなければいけないとか、そういう方もおられるかもしれませんし、普段使いのものやら、ほとんどすべては、既製品でも構わないのだけれど、特定のこれだけは、この作者さんのものしか使いたくない、というこだわりを見せる方もいるでしょう。

 また、その場にあるものが最高の道具だといって、あり合わせの道具で危機を脱してしまうような、工夫溢れる工作系主人公みたいな人もいるかもしれません。

 パズルを組み合わせて解いているみたいで、端で見ている分には面白そうだとは思いますが、資源の足りない状況に陥ってしまうのが、そもそもダメなのである、という意見もありそうですね。どの戦場でも兵糧というか、兵站は大事なのですよ、とか言いそうです。

 そもそも、戦わずに勝つのが最上であるとか、言い負かされてしまうのが、だいたいのパターンでしょうか?


 淡々と準備して、勝つべくして勝つ段取りを作って、それを相手に開示して、戦う意味をなくしたり、相手の戦う理由を排除して、ことに臨むとか、そのように活躍する主人公というのも新しいのでしょうか?すでに、結構、巷に溢れていそうなタイプではありますね。

 血わき肉踊るというジャンルではありませんが、どちらかというと政治家とか、内政向けのお話になりそうですね。そこをあえて、脳みそが筋肉であるようなタイプが行うとかも面白そうですが、勘違い系のお話ですでにありそうです。

 そのあたりのことを詳しく調べずに、同じようなものがたりを商業ベースで書いてしまうのなら、まさに『伸るか反るか』でしょうかね?似た話があるというのに挑むのは結構強心臓だとは思いますけれど、どんなものでしょうか。


「結婚を前提におつきあいを申し込んでみようかと思うのです」

「いえ、それはちょっとギャンブルではありませんか?」

 

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