4_日々のお仕事、炊事編。
炊事のお仕事ですが、”ご主人様”は基本、昼食は職場で取られるので、朝夕二回の準備となります。ある程度作り置きが出来るものを中心に、お惣菜を用意します。買い物は召喚魔法による通信販売も行いますが、近所のスーパーへも赴いて、食材を確保いたします。
予算と相談しながら、旬の食べ物を栄養バランスが取れるように見繕っていきます。”ご主人様”は少々偏食気味でしたので、野菜をいかに取らせるかが、献立のきもとなります。
何しろ、青物野菜が苦手で、かろうじてトマトだけが食べられるとか、きゅうりが苦手とか。きゅうりに限らず、レタスやキャベツなどのいわゆる葉物野菜も、サラダだと食べようとしません。
かといって煮物野菜もあまり好きではないようです。
なので、ここは万能調味料であるところの『マヨネーズ』にご登場していただこうと思うのです。
『マヨネーズ』(Mayonnaise)とは、フランス語でありまして、そもそもは、かの国において、肉類に使用されていたソースであったのだそうです。
時は18世紀中頃、1756年あたりから起こったフランスやらオーストリアやらと、イギリスやプロイセンが対立した、7年戦争のあたり。
フランスの美女と美食をこよなく愛した貴族にして軍人のルイ・フランソワ(Louis Francois)さん、当時60歳半ばくらいの、美(?)老年さんがおりました。
このお方、7年戦争時に当時イギリスの支配地でありました、メノルカ島(Menorca)をフランス軍として占領するのですが、その時、その島で伝統的に作られていたソースと劇的(?)な出会いをした、ようであります。
そのソースというのが、生卵とオリーブ油とレモンの絞り汁を混ぜたものであった、そうです。
そしてそのソースを発見した港町の名前である、マオン(Mahon)のソース、つまりmahonnaiseとして、美食界((どこですかそれは!→ジョークですよ))にて紹介して、広まったというのが、マヨネーズの起源として有力であるとされるそうですね。
((注)*「食のルーツ」なるほど面白辞典_日本博学倶楽部_PHP 文庫やWikipediaを参照しています。))
((問:どうしてゴブリンがそんな本を読んでいたり、webを活用してるのでしょうか?
回答:魔法書籍発売や、魔法電子計算機のおかげです。))
((問:魔法ってつければなんでもありとか思っていませんでしょうか?
回答:十分に発達した科学は魔法のように見えるそうですよ?逆もまた真ということで))
ちょっと思ったのですが、昨今ネットワーク上で流行っている((主観です))いわゆる異世界に主人公が、転生したり転移したりする空想上の物語の中で、くだんのマヨネーズを現地?で紹介したりして驚かれるという展開がありますが、”卵”を生食する文化があれば、それほど無理なくその手のソースが生まれてきてもおかしくないような気がしますね?
まあ、19世紀ぐらいまではマヨネーズが欧州に広く登場していなかったことと、中世((まあ広い歴史区分ですね))くらいのヨーロッパを文化的なイメージの背景として取り込んでいた、ということを合わせて考えると、それほど不自然な発想でもないのでしょうか?
サルモネラ菌の問題もありましたね。生食にするにはこれをなんとかしなければならなかったわけですし、そこまでして生食にこだわる食材でもなかったのかもしれませんね。もっとも卵をメインにして生食する文化が少なかっただけで、生の卵を使用した料理自体は結構あったようですが。
ちなみに、酸性度の高いマヨネーズには細菌がいないので、その点では安全度が高いようです。まあ、水気が多かったり、よく混ざっていなかったりするとやはり細菌が生き残ってしまうようなので過信は出来ませんが。特に手作りでは、保存などに注意が必要ですよ。
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「というわけで、手作りマヨネーズです、いかがでしょうか?」
「ごめんなさい、油系のドレッシング全般が苦手なのです、お醤油くださいませんか?」
なるほど、そうきましたか。