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2_日々のお仕事、お掃除編。

 お掃除をしましょう。まずはエプロンをつけますね、子供用のエプロン、紐で首と腰を固定。色は紺色。大きなポケットがいくつか付いているのがお気に入り。

 ”ご主人様”が用意してくださいました。感謝の極みですね。

 その”ご主人様”はお仕事に行かれました。魔法使いの先生をしているそうです。勤続年数はそれなりだそうです。若く見えるのに優秀ですね(若いとは言っていません)。


 とかく女性の年齢というものは、とやかくいうものではないらしいですね。なぜなんでしょうかね?若年であるということに価値があるということなのでしょうか?

 無駄に年を重ねる自覚があるので、若いということだけをステータスとしている風潮があるのかしれません。もしくは、確定された未来がつまらないであることを、ぼんやりと予想しているから、選択肢が多い=若いといことに固執しているのかもしれませんが、どんなもんなんでしょうかね?

 一般的に妖精には年齢という概念がないのでピンとこないものです。


 お掃除の基本は上から下です。まずはハタキを掛けましょう。朱色の布がたなびくハタキに向けて、くいっと人差し指(”人”と同じく5本の指があります。清潔が一番なので爪の手入れも完璧です)を立てると、それに従うように、ぴょこんと、ハタキが起き上がり宙を飛びます。

 妖精ゴブリンは体が小さいので、家事には主に魔法を使います。”人”の魔法使いとは違って、呪文を唱えたり、触媒が必要であったりしないのは、妖精がより魔法に近い生き物だからと言われていますが、まあ、理屈はともかく、簡単な仕草と結果を思い描くだけで、魔法は効果を発揮します。


 まあ、契約に基づいて、家事に関する魔法しか使えない(許可されていない)わけですが。家事以外に魔法を使うこともないので問題ありません。

 パタパタと叩くのではなく、なぞるようにして埃を集めていきます。こうしないと埃が舞ってしまって、掃除をしているのだか汚しているのだかわからなくなるのですよね。


 あー軽く埃を取ろうとしましたがダメですね、天井に、汚れがこびりついています。こう言う時は、洗剤です。界面活性剤の力を使うのですよ。キッチン用の洗剤(液体タイプ)が今手に入る最強の洗剤でしょうか?

 洗剤が見当たりませんね?ならば、”家事魔法”の召喚魔法で取り寄せてしまえばいいのですが、これはこれで”ご主人様”の許可を別に取らないといけません。何しろ代金引換で商品が届くのですから。

 物品召喚魔法の召喚陣、つまるところの商品カタログはどこに置いてましたかね?


 ちょっと許可を取りましょうかね?”遠距離短文通信”を起動しましょう。妖精ゴブリンと”ご主人様”とは召喚主と従の魔法的なパスがつながっているの連絡が取れるのですよ。

 ただ、直接呼び出すと何か作業(特に集中力のいる作業や手の離せない仕事)をしていると、頭の中で響く”声”にびっくりされるといけませんので、術式の待機領域に短文を書き込んでおいて、メッセージが妖精ゴブリンのデビットからありますよ、とサインを送っておくのです。

 こうすれば、短文の着信サインに気がつけば、相手の都合の良いタイミングで返事が返ってくるのです。

 「”ご主人様”お掃除用の洗剤を召喚したいのですがよろしいでしょうか?お値段は4銅貨くらいでございます」

  で、返事待ちですね。では、他のできる掃除をしておきましょう。


***


 「すまない今気がついた」

 帰宅した”ご主人様”がのたまいました。

 相手の邪魔をしないという便利さがあるものの、そもそもそういう機能があることを忘れていたらば、あまり効果がないということでございますね。

 

 私はちょっと肩をすくめるのでした。

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