いつも通りではないある日のこと
午前7時、九十九は現在進行形でベットの上で布団の中にくるまってた。
ツクモは休みの朝の布団の中でゆっくりすることが大好きだ。当然今日もそのつもり、つもりだった。
だがしかし、布団の中にくるまっていたのは一人じゃあなかった。
バサッと布団をひっくり返す、そこにいたのは
『ん、ツクモか?おはよう』
バサッ、布団をかけ直す。
『マジかマジかよマジですか?』
もう一度布団を返す。
『いきなりどうした?』
バサッ、もう一度かけ直す。
マジだった、昨日は確かに父と母の部屋に連れてってここで寝てくれと頼んだはずだった、にも関わらず、今目の前にアイラがいるのは何故だろう?
『なぜお前がそこにいる?』
『イヤ、寒かったのから暖まろうとしただけ』
おかしい?という表情を浮かべるアイラ、九十九の顔と言ったらまさに開いた口が塞がらないと言わんばかりの顔だった。
『とりあえず、勝手に人のベッドに入るのはやめようぜ』
『何がいけないのかわかんないけど、そうゆうならそうする』
ベッドから起き上がり時間&日付を確認する。
現在朝の7時、4月の11日土曜日、学校は休みである。
『買い物でも行くかな』
暇な時は大抵少し遠出の買い物をする。だが今日はいつも通りというわけにはいかなかった。
『なら私も連れてってほしい。』
今日は金髪吸血鬼がいたのだった。
『お前、その服で行けるわけなかろうが』
昨日のアレで服がボロボロだったため、九十九のシャツ一枚となっている。幼女の服を家に置くほど九十九は変態、いや準備は良くない。
『それに関しては問題ない、ツクモの私服を着る』
明らかに大きさが合わない。
『お前が俺の来たらダボダボでおかしい人になるぞ』
『だから問題ないって言ってる』
そう言うとアイラは目をつむり深呼吸をする。その途端、まばゆく光り大人になった。比喩とかそんなものではなく、身長が伸び出るとこは出て凹むところは凹んでいる。
『どう、問題ない』
元々可愛らしかった顔も大人びて美しい女性へと変身を遂げていた。だが九十九はそれよりも
『お前、下見えそう。とりあえず元に戻れ、服とってくるから』
意外とウブだった。
『服って言っても男物しかねぇな、まぁ別に女が男の服着る割には問題ないか』
そう言って適当なものをチャチャっと選び抜く。
『意外と動きやすい』
アイラは、着替え終えた感想をこの一言でまとめた。
『それはよかったな』
『そしてなんかカッコイイ』
鏡の前でクルクル回るアイラにチョップを入れ出かける支度を済ませる。
玄関のドアを開ける前に気づくこと一つ。
(これっていわゆるデート…なのか?)
そう思うと急に恥ずかしくなったのか顔を赤く染める。
『どうした?』
『い、いや、なんでもない』
こうして二人のデートが始まった