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Reincarnation*神殺しがやり直す二度目の人生  作者: コルころ
restart of Vampire アイラ編
4/14

異常は異常を呼ぶ

家に着くなりドアに書き置き発見。

【今日は親が早く帰ってくるので一人で食べてください。】

『いや!メールしろよオイ』

書き置きにツッコミを入れる男子高校生がそこにはいた。

ガチャッ

ドアを開け中に入る、少女はそのままリンビングのソファーに寝かしテーブルに食材を置く。

『とりあえず傷なんとかしねぇとな』

自分の傷も少女の傷も。

『この際、上着だけなら脱がされても文句ないだろ、緊急時だし』

決して下心があるわけではない。ただ単純に助けようとしているだけ、それだけだ。

だがしかし

『先に謝るがごめんな、ってオォォイィ』

上着を脱がした、だが問題発生。少女は下着というものを着ていなかった。

すぐさま服を着せる。

予想外すぎる展開に焦りまくる九十九

『ととと、とりあえず上からシャツ持ってくるか!?この服ボロボロだし、そうだな、そうしよう』

テンションがカオスになる九十九、普通に見たら変態である。

『取ってきたはいいものの、これ着せるためにまた脱がさなきゃいけなくないか?』

してないとわかっていながら脱がすことに気が引けるがそんなことも言ってらんない状況なので最低限できるだけ見ないように着替えさせる。

『はぁ〜、精神すり減ったぁ』

なんとか作業を終えるとそのまま傷の治療にかかるがその時に気づく少女の美しさ、髪は金髪の少しカールしていて顔も綺麗に整っている。まさにお人形さんみたいだった。だが今はそれを眺めている場合ではない。九十九は頭をブンブンと横に振り治療を再開する

『右手の出血量からして相当まずいはずって、ん?』

傷があった場所を確認すると、キズがない。

『なんだ、傷が、ねぇ?』

何度確認しても傷はない、あるのは皮膚に付いた血液だけだ。

『さっきまであんなやばかったのに、どうゆうことだ』

不自然すぎるその状況に自分の手に包帯を巻きながら考える。そして考えられる一つの可能性、こいつも九十九と同じふつうじゃない。

『まさかな?』

九十九が言うと同時に気を失っていた少女は目を覚ました。そのままムクッと体を起こし一言。

『お、やっと目ぇ覚ましっ』

『血が足らない』

『は!?』

その瞬間少女は九十九の首元に噛み付いた

『いたたたたたたた!?いてぇって、オイお前‼︎ぐっ!やめろぉぉぉ』

引き剥がそうとするが、少女も引き剥がされまいと抵抗してくる。

『ん〜、んー』

嚙みつきながらなんか言ってるが、九十九には届かない、今尚全力で引き剥がそうとしている。

『いい加減にしろよ!?本気でぶっ飛ばすぞテメェ』

言うが早い、少女を思いっきり引き剥がした。

『ん?ん〜!?』

驚いた隙に弾き飛ばす。

『ふぎゅ!?』

少女は引き剥がされたのちこちらをじっと見ている

『お、お前なんなんだ?、俺も人のこと言えた立ちじゃねぇけど、おかしいぞ』

見ず知らずの人に噛みつくなど正気の沙汰ではない。

『生きるために必要だったらそうするしかない』

真顔で返す少女に元神殺しは今までに感じたことのない恐怖心というものを感じた。

『お前、噛み付いたら寿命が伸びるってどういうことだ?それ超迷惑じゃねぇか!』

全くそのとうりである。

『別にそういうわけじゃない。正確に言うと噛みつくではなく、血をもらう』

九十九は首をさすりながらハテナを浮かべる。

『私はここでいう吸血鬼、傷があっても再生するが血は再生しないの。』

(…ありえないとは言わなぇけど、だってほら実際俺だって、神殺しやってたし、世界にはまだ神秘的なものがあふれていても仕方ないじゃん?でもさぁ)

『拾った少女が吸血鬼ってどうよ?』

(完全に殺されそうだった女の子だったじゃん、確かに殺されそうになってる時点でふつうじゃないよ?それでも人外とか反則だろぉ)

『ということで血を分けて欲しい。』

『断る‼︎』

即答。第一痛いということが主な理由であるが血を持ってかれすぎたらいくらなんでも死ぬ。

『じゃあ、血の代わりになるもの?』

(大抵こういう場合アレを出すんだよな)

九十九の思うアレ、それは冷蔵庫の中に眠っている。

『これならいいか?』

そう言って吸血鬼にひょいと投げて渡す。

『トマトジュース?』

吸血鬼と言ったらこれだろう。自信ありげに渡したアレを

『いや、コレ全く別物』

拒絶した。瞬時に拒否した。

『なんならいいんだよ』

『そこのテーブルにあるもので作れる肉じゃがとか』

(なんで肉じゃがってわかるんだよ、というかコイツ)

『お前、本当は元気だろ?』

『絶不調』

絶対嘘だと思いつつ肉じゃがを作る準備を始める。

『お前なんで死にかけてたんだ?』

『殺されそうだったから』

『悪い、質問が悪かった、なんで殺されそうだったんだ?』

『やらかしたから』

(…わざとだ、これ天然とかいうレベルじゃねぇよ?確実に悪意こもってんだろ)

『あ〜、あのな俺は何をやらかしたのかを知りたいんだが』

『なんだ、そんなこと。それならそうと言えばいい』

コイツぅぅ、と心の中で叫ぶ九十九、当然それは少女には届かない。

『私は元よりこの世界の住人ではない』

だろうなと顔を引きつらせる。

『この世界に来た時、何も知らない私に声をかけたのがヴァンパニーズと呼ばれる組織というか保護施設?だった、そこには私と同じ境遇のいつ何があってこの世界に来たのかわからない吸血鬼の同志たちがいた。』

この世界に自分以外にも転生、ではないが召喚された存在がいることに九十九は少し驚いた。

『まぁ行く当てもなかったこともあってそこにいることにした』

『なんでそれが殺させることになったんだ?』

何故仲間になったかではなく、何故殺されそうになるのかが大切だ。

『たとえ話、とある普通のサラリーマンが、会社のために働いていた、そしてある日会社の裏事情を知ってしまったとする。』

『ふむふむ』

『しかもそれが犯罪級で告発されたら会社は確実に潰れてしまう、でもサラリーマンは誰にも言わないからと言っている。この状況どう思う?』

『信じては、もらえねぇな』

少しでも可能性があるなら消しときたいと思うはずだ。それが普通なのだから

『今の私がそれ、皆殺すことしか考えてなくて』

フフフと笑う少女には出会った時の緊迫感はまるでなかった。むしろくつろぎ過ぎなくらいだった。

『お前』

『お前じゃない、 アストライア・カラトロス。皆アイラって呼ぶから。』

呼び方を指摘されすまないと言った後に九十九も自己紹介を返す。

『俺の名前は日乃々 九十九、九十九で頼む』

『そう、ツクモね』

自己紹介が済んだ後、長めに話し込んでいると肉じゃがができる。それを見たアイラは目を輝かせ今にも食いつきそうなオーラを醸し出していた。

『とりあえず食うか』

『そうだね』

いただきますと言い夕食を食べ始める二人の姿がそこにはあった

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