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天使のような悪魔の笑顔
現在地、日乃々木邸
『あぐ、モグ、ムシャ、モグモグ』
そこにはお腹を減らした一匹の悪魔が、ことごとく出される木料理を完食していく姿があった。
『よく食うなぁ〜』
エプロンを身につけた九十九が更にまた料理を運んでくる。が中二病少女はそれを奪い取るようにして自分の手に収さめ、食料を口に運んでゆく。
『なひほたへれなかっはかはな』
『飲み込んでから話せ、飲み込んでから』
ほっぺたを膨らませハムスターのようになった少女は聞く耳持たず更に口に食事を運ぶ。
『うわ〜、すごい食欲』
『食べるより吸い込んでるに等しいな』
バキュームのように食らう姿は迫力満点だった。
『ふ〜、美味かった』
眼帯をつけ直し、満足げな笑みを浮かべる少女に九十九はため息零す。
『で、冥界の王女様は何故人間の世界なんかに?』
『それはだな』
口をナプキンで拭きながら九十九の問いに反応した、ここだけ見るとちゃんとした王女のように見えないこともない。
『揉め事だ、それも冥界の王、我が父とだ』
そう言いながら立ち上がり歩き出す。