じかん
あれから少し時間が経った。
自分の住んでいるこの場所を
じっくりと
見ることができるようになった。
あれから随分変わってしまった。
この場所も私も昔の友もぜんぶが
気がつくと
別物になっていったようだ。
約10年前に
毎日歩いたこの道が
私の知らないものになっていた。
約10年前に
一緒に歩いた友も
私の知らないひとになっていた。
一度も話したことのないような関係に
なってしまった
地面も遠くなり
すべてものものが小さく感じる。
あの日から遠くなり
記憶が薄れていくように感じる。
変わらないのは
風や季節の匂いだけ。
懐かしいけれども
寂しい
何も知らずにはしゃいでた自分は
どこに行ってしまったのだろう