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星空と老人

仕事の合間にゆっくり書いていきます。

サラリーマン万歳!

目の前に広がる世界は、本当に月明かりのみというに相応しいものだった。

言葉が出て来ない。いったいどこに来てしまったのだろうか。


澄み渡る星空を見上げるのは何年振りだろうか?

あの星座は何という星だったか……。


(確か、、、そうだ!北斗七星だ!)


学生時代に夢中になったマンガの神拳の伝承者が言っていた。

その横に星が見えるわけな、、、、くない?


見えてしまった。

赤く輝く妖しい星が。


不意に背中に寒気が走る。

辺りを何とも言えないおぞましい空気が包む。


(なんなんだ。このブルっと来る気配は?)


きっと振り返ってはいけない。

振り返ると更にとんでもない事態が起こる。


何故かは分からないが、音を聞いてブルドーザーだと認識するくらい

ハッキリと分かる。


しかし、それがなんだというのか!


良く分からないまま出世街道が絶たれ、

コンビニの帰り道で、後頭部に痛みを感じると、

知らない場所に倒れていた。


これ以上何が起こったとしても、

それを受け入れる覚悟は、、、ある!


「誰だ!」


俺は迷わずに後ろを振り返り、そう叫ぶ。


「おっと、お主ワシが見えるのか?

久し振りにわしが見える存在に出会ったわい。」


そこにはやたらと血色の良い老人が立っていた。

身長は150センチくらいか?

痩せ気味だが、隙がない。


目に見えないオーラにくるまれているような、

圧倒的存在感。


素人目でも何かの達人で有ることが分かる。


隠し立てなど必要ない。

俺は正直に自分の立場を老人に説明する。


「ご先輩!失礼ながらお尋ねします。

私は家に帰る途中で誰かに後頭部を殴られ、

気が付くとここにいまして、途方にくれていたのです。

よろしければここが何処か教えて頂けませんか?」


「イヤじゃ。」

「ほえ?」


老人の予想外な返答に、

俺は思わず気のない言葉を口にしてしまった。


「イヤじゃ。お主が何者だろうとワシには関係ない。

そんなつまらんことに興味はないし、

面倒くさいことには関わりたくもない!」


老人は迷いなく、そう言葉を続けた。

おそらくは俗世間を離れた暮らしをしており、

人間には関わりたくないのだろう。


(こんな人が今の時代にもいたんだ。)


俺は妙に感心してしまった。

いやいや、俺はすぐに我に返る。


「ご先輩!後生ですから、せめて街への行き方くらいは

教えて頂けませんか?私は本当にここが何処なのか

見当も付かないのです。教えて頂けましたら、

お礼に何でも致しましょう。」


俺は必死に情報を聞き出そうとする。

こんな場所で他の誰かに遭遇するチャンスが、

すぐに訪れるとも限らない。


最悪、野垂れ死する可能性も低くない。

事態が何一つ分からないまま、死にたくはない。


「ほう、何でもするか?」


目の前の老人はほんの一瞬、口の端を密かに上げた。

俺はその動きを見逃さなかった。


(しまった。選択肢を間違えたか。)


俺は額に汗が流れるのを感じる。


(これは途方もない要求をされそうだ。

生命に関わる要求でなければいいが…)


「なに、そう構えなくてもええよ。

ワシもちょうど退屈していたところじゃ。

お主には街への行き方を教えてやろう。

ただし、条件が3つある。飲めるかの?」


「条件とは何でしょう?」


「ワシは飲めるかの?と聞いたんじゃ。

二度は言わんぞ!3つの条件を飲めるか?」


「生命と名誉を保証頂けましたらば、喜んで。」


「回りくどい言い方じゃの。まぁ良い。

肯定と受け取るぞ?良いかの?」


「はい、もちろんです。」


「よし、ではまずこれを飲め。」


老人は懐からツボを取り出す。

あまり出来栄えは良くなく、形がいびつだが、

目をしぱしぱさせるくらい強烈な臭いを放っている。


「どした?これが飲めないならワシは帰るぞい。

ワシもひまじゃないんでの。」


(さっき退屈しとったち言っとったやろが!)

頭の中で思わず九州弁で突っ込む。


「飲みます、飲みます!しかし、スゴい匂いですね。

何が入ってるんですか?」


俺が聞いた途端、老人の目がアラスカの氷よりも冷たくなる。

思わずぞくっと身震いしてしまった。


「代々受け継がれてきた秘伝での。一子相伝という奴じゃ。

ワシが生きてる間は、誰にも言えん決まりなんじゃ。

意味は分かるの?」


その言葉を聞いた瞬間に三度ほどうなづき、

一気にツボの中身を飲み干す。


「私は何も聞いてません!飲ませて頂きました!」


そこには元の目に戻った老人がいてホッとする。


(ガフッ。この味はヤバイ。立ちくらみがして、意識が薄れて行く。

マズい、何を飲ませたんだ…。)


「ほっほっほ。その薬は未完成でな。

生きていたらまた会おうぞ!」


老人の声が薄れゆく意識の中で、頭にこだまする。

俺はそのまま地面に倒れこんでしまうのだった。


次回より徐々に明らかにしていきます。

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