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過去編から始まりまーす\(^o^)/

ご意見、ご感想お待ちしてます。m(_ _)m

米界暦036年ー旧福島県、燧ヶ岳。


くのか?つるぎよ」

「ああ…」


山の中にある屋城の内、篝火が灯してある部屋で全長4メートルはある、白狼の薄緑色の瞳が篝火に映された、銀髪の髪の少年を悲しげに見つめる。

少年は白狼に目を向ける事はない。ただ屋城の柱に寄り掛かって天井を見ているだけである。


わしはお主を止めることはできぬ。いくら頭領といえど儂は他人の家の事情まで縛るつもりはない。家の者が納得しておるなら、行きたければいいくがよい」


白狼は大きな鼻から空気を漏らすと目を閉じた。

少年は一様の許しを得ると一瞬だけ、少年の薄緑色の瞳が白狼を見る。だが、そのまま扉へと歩み始めた。


「ありがとう。これから俺は『人』として生きる」


外は大雨である。だが少年はそんな雨の中、歩みを始め、故郷から姿を消した。



◆◆◆


俺は15歳の時、この米日中央都市に足を踏み入れた。最初は人間の生活がどの様なものかわからず、慌てたものだ。


俺は最初、行く宛ても無くブラブラと歩いていた。そして、偶然その場所が目に止まった。そこは、周りが柵に囲まれており地面がコンクリートになって遊び場としてはあまりに殺風景だった場所。そして中に人が5、6人いるのが確認できた。俺は自然と足がそっちに進んだ。何故ならこの都市に来た目的の一つが目の前にあったからだ。それは『人』の新たな可能性、『超能力』。これの練習?がされているぽかったからだ。中の人は手を前に出したりジャンプしたりして集中している様だ。そして俺は今後、こっちの世界で生きていくために『人』らしさを学ぶために『能力者(にんげん)』を観察し始めた。

俺は『超能力』については話や噂で聞いただけだったため、『人』が手か風を起したり、宙に浮いたりしていることに初めて見て、つい見惚れてしまった。そして、俺は見惚れていた所為で中央にいる、風を操っていた『能力者』が近づいてきているのに気が付かなかった。

そして、問題は起こった。


「君、俺の事見てたけど…良かったら君の『能力』も見せてくれないかな?ちなみに俺はCランク。君のランクは?」


ランク?

なんだそれ。俺は当時、『能力者』のランクシステムについては皆無だった。だから、何を話ているのかちんぷんかんぷんだった。だから俺は正直に『超能力者』としての自分の『能力』について話した。


「ごめん。俺、『能力』ないんだ」


そう。俺は『能力』はあるが『能力者にんげん』とは違う能力。だから、ここは『人』として対処するならこれしかなかった。

『無能力者』。

そう、今の『人』には能力に目覚めている者がいる。しかし、けしてすべてがそうというわけでは無い。

俺は独学で学んだ知識から電気石…通称『トルマリンΩ(オメガ)』これから発せられる電気信号を受信出来ず、能力を授かれない者がいる。ということを知った。

彼らは何も無い。

突発した能力も皆無。

身体の構造変化も無し。

全てにおいて『無』。

唯一、能力と呼べる物…それは、『人』が昔から持っている『考える』事ができる『脳』だけであること。

しかし、そんな彼らの『考える脳』もトルマリンΩ(オメガ)によって覚醒した者達からすれば『無脳』だということもついでに知った。

だから、『無脳力者』=『無能力者』。

だけど俺は憧れを捨てることが出来なかった。いくら『無能力者』が非難されているからといって、同じ『人』なのだから迫害などはないと決めつけていた。何とかなる。そう思った。



「そうか…。君…お前、『無能力者』か…」

「?」


風を操る能力者の目が若干、細くなったように見えた。

いや、例えが違うな。これは軽蔑した目だ。故郷でよく見た目だ。

だが当時の俺は何故、軽蔑されている?とこの人に対してはてなマークが上がっていた。


「チッ…。ザコと話ちまったよ、最悪だ。おい!何、ずっと見てんだよ!無能力者!」

「い、いや…俺は別に」


いきなり何だ?態度変わり過ぎだろう。それに、俺は別に悪くない。だって最初に話掛けてきたのはそっちだし。それを〈俺、『能力』ないんだ〉って言っただけでなんであんな目をされなくちゃならない。もしかして迫害はかなり酷いのか?

しかも風の能力者さんが案外、大きな声で喋るから周りの『能力者にんげん』も集まって来てるし。


「おい、どうした?」

「何だなんだ?」

「いちゃもんか?」


しかも、ご丁寧に周りから見えないように囲ってますよ。これは早くもリンチか?

それにしても今の世になってもまだ『無能力者』の迫害がこんなに酷いとは…。


「こいつ、【F】。無能力者だ」

「な?!」

「マジかよ!」

「てか、能力ないくせに俺らのとこ、見てたのかよ?!どんだけ夢見てんだよ」

「無能力者のくせに銀髪とか、マジムカつくしかもなんだ?こいつの目の色、帰国子女か?」

「てか、『無能力者』ってなんでわかったんだ?」

「自分から名乗りやがった」

「はぁ?」

「バカか?こいつ」

「普通、無能力者は自分から名乗らないだろう?こいつ頭のネジ飛んでぞ(笑)」

「つーか、俺ら能力者にタメ口聞いて来たんですけどーこれゃー教育が必要だな」


俺…今かなりバカにされてるな。そんなにバカなことなのか?てか、これはかなりやばいな。こんなに早く本性出したくないぞ。

チッ…ここは黙ってやり過ごすか。

まさか、『無能力者』と名乗っただけでこれとは…今後は気を付けよう。


「黙ってんじゃねーよ!!」

「痛っ!」


こいつ!人が我慢してれば、突き飛ばしやがった。

って、尻餅ついてる間になんか他の奴らもなんか蹴る体制入ってるし!


「オラァ!どうした?無能力者!俺達は慈悲で能力なしでテメェの教育してやってんだろうが!」


チッ…容赦なく蹴って来やがる。


「がぁ…」

「礼はどうした礼は!!」

「くっ…」


くっそマジ痛ぇー。

能力なしって…俺でもこのダメージ。普通の人なら骨にヒビが入るんじゃないか?

てっこんな解析、今はいい。

何とかこの状況を切り抜けないと。


当時、俺はこの時はさすがヤバイと思い最終手段を取ろうとしていた。


くそ!!

こいつら弱めるどころかエスカレートしてやがる!

チッ…こうなったら…悪いが死んで貰うか?…

そう思った瞬間、俺は両腕から本性(・・)を解放していった。腕には人間の産毛を越して毛になり丸みを帯びていた爪は鋭く尖り始める。

理性も若干薄れてくる。

俺は薄れゆく中、本能の声をあげる。


「イマスグニソノ、ノドカミチギッテヤル」

「あぁ?なんか言ったか?」

「おい、なんかこいつの腕毛深くなってねぇか?」

「はっ!気のせいだろう…え?」


俺は俺の身体の動きをただ、呆然と見ていた。どうやら俺が一人の能力者の脚に傷をつけたらしい。


「がぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁ!イッてぇぇぇぇぇ!」

「な?!」

「ど、どうした?!」

「うわっなんだこれ、踵から膝まで切れてるぞ!」

「なんだこれ!?血で過ぎだろう!に、肉も出てきやがった!」


はっヤバイ!やりすぎた。

能力者の一人の断末魔を聞いて俺はここで初めて自分自身を止める作業に入った。

くっ…落ち着け、落ち着け、落ち着け、落ち着け…………

腕を見る。

ゆっくりではあるが毛や爪が逆再生のように『人』のモノに戻っていった。


「ふぅー」


傷を負った能力の周りにいた能力者の一人が俺の存在に気付いて近づいて来る。しかも風を操る能力者だ。


「テメェー何しやがった!無能力者とか言ってパチこきやがったな!!殺してやる!」


風を操る能力者が右手に風を集めて圧縮しているように見える。あれは…、多分攻撃のための技だろう。早く動かないと…。

だが、俺は膝立ちになりそこから先の動きができなかった。なんせ、俺自身の能力(・・・・・・)のおかげで疲労がハンパない。

ヤバイ、終わったな…。

俺はこの都市に来て早速死ぬことになり、現実を見ないために目を閉じた。

あ〜あ。結局、故郷の頭領にカッコつけて出てきたのにこのザマとは…。

なんて、

なんて、

恥ずかしいことか…。


「おい、銀髪の少年!諦める前に抗え!!」

「!!」

「な、なんだ、テメェは!」


俺は目を開いて前を見た。そこには黒髪ロングでジーパンに半袖を着てとてもラフな格好をした女性がいた。

そして、女性は俺を横目で見るとイタズラな笑顔をした。

何故だかわからないけど、魅力的だった。

胸の奥がざわつき、鳥肌がたった。

そして女性はまた前を見据えると、とんでもないことを口ばした。


「あたしか?あたしはそこの銀髪の保護者だ!」



◆◆◆


「おもえば、多分あのときに俺、真希さんに恋したんだよな〜」


俺は今、バイト中でレジに立っている。ちなみに他のバイトスタッフ、社員はいない。何故なら今日、結婚式がありみんな招待されて行ってしまっているからだ。

誰の結婚式かって?

おいおい。野暮なこと聴くなよ。心が折れる。フラグは立ってただろう?

店長、五煌ごこう 真希まきさんのだよ。

ちなみに式は11時開式だ。

今は…9時40分だから…あと1時間20分ぐらいか…。


「はぁ〜」


やる気が出ない。結婚か…。多分、九十九つくも きよしをぶん殴った時だよな〜。あの日から店長…真希さん、俺から距離取ってる感じだったし…。

あの時、強引でも内容を聞き出していればこんな事にならなかったよな〜。


「はぁ〜」


やる気がでない。

まぁ、聞き出しても抗う事は出来なかったよな。だって運命なんだから。それに俺には止める資格はない。『人』ではない俺には…

俺が鬱になっていると自動ドアが開いた。

どうやら朝のお客様の登場だ。


「いらっしゃいませ〜」


あ、ヤバイ。挨拶まで鬱に。


「なんだ。その挨拶は。お前はやはり学園に通うべきだな」

「!!」

「もぉ〜奏ちゃん!剣くんのことは真希ちゃんに任せるって決めたじゃない〜」

「いや、だ、だけど雫…」


入ってきたのは真希さんの友達の奏さんと雫さんだ。二人はそれぞれ綺麗なドレスを着て肩にカーディガンみたいのを羽織っていた。


「奏さん、雫さん!どうしたんですか。今日、結婚式ですよ!遅れますよ?!」

「そんのはわかってる」

「まぁまだ9時45分だし大丈夫だよ」

「はぁ〜ならいいですけど」

「……」

「……」

「……」


き、気まずい!何故、こんな時に限って人が来ない!?

てか、なんでわざわざこの人達はコンビニに来たんだろう?

ま、まさか!俺も式に連れていく気か?!

や、やめてくれ!好きな人の式なんて見たくない。しかも、俺じゃない人とキスの瞬間なんて絶対見たくない!!

絶対に俺はこのコンビニから出ないぞ。

俺は頑な心で二人を睨みつけた。

二人はヒソヒソとカウンターのまで話していた。


「…かを…聞いてみようと思う」

「ちょっちょっと奏ちゃん!それは…」

「だけど!このままだと真希が…」

「それは仕方が…」

「?」


なんの話だ?

てか今、真希さんの名前が…俺の心にクリティカルダメージが。


「よし。私は聞くからな!」

「ちょっと奏ちゃん!」

「どうしたんですか?」

「剣…。単刀直入に聞く」

「やめといた方が!…」

「はい?」

「真希の事、好きか?」

「言っちゃた…私しーらない」

「!!そ、それは人として、ですよね?」


ヤバイヤバイヤバイ!

心臓が破裂しそうだ。


「違う。異性として愛しているか?だ」

「そ、それは…」

「お前も気付いてるだろう?この結婚の裏」

「……」

「お前は知っていて動かないのか?真希の事嫌いなのか?」

「そんな訳ない!」

「ならば抗え!諦める前に抗え!!」

「!!そ、そのセリフ…」

「フッ。そうだ。真希の口癖だ。あいつはあんな口調で適当だが、人一倍、努力家で人一倍、優しい。さらに人一倍、能力なしで強い。そして、人一倍、一途な恋をしている。銀髪の年下に」


奏さんが微笑む。雫さんも知らないと言っときながら外で車を待機して待ってくれている。

俺は…



「式場まで1時間はかかるな。私達はそろそろ行こう」


俺は…!


「ちなみに私や雫は戦闘準備も万全だ」


俺は…!!!


「俺は…真希さんを…いや…俺は俺の女を取り返す!そして、一生離れないようにその唇を俺の唇で塞いでやる!」

「フッ。まるで野生児だな。狼みたいだ」

「……(汗)」

「二人とも早く乗って!やっとエンジンかかったから」

「え?やっと!?」

「何してたんですか?!俺と奏さんがいい具合に決めたのに!」

「えへへ〜なんか、鍵がなくって探してました。そしたら車に刺しっぱなしだったこと忘れてました」

「「どんだけ天然だよ!!」」


雫さんが慌てながらなだめる。


「ま、まぁあったことだしね。一件落着!」

「はぁ〜これじゃあ優夜も撃沈だな」

「優くんがどうしたの?」


優夜?誰だ?おっと。今はそんなことどうでもいい。今は真希さんだ。


「いや、なんでもない。それよりも…」



奏さんが俺と雫さんを見るそして、三人で俺の愛する人のセリフを言う。


「「「諦める前に抗ってみますか!!!」」」




この外伝は本編とは遠からず近くないといった感じのお話です。ですのでメチャクチャだな!読みズラ!など思っている方、今後この外伝は本編に繋がってくると思いますので今しばらくご愛読下さいm(_ _)m

あと、脱字など直させていただきました。

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