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そして合流

大分久々の投稿。

遅くなって申し訳ないです。

「必ぃっ殺!ザンギエフキィィィイック!!」



ドゴオォォ!!!

と。



背後から突如轟音と地響きが伝わって来たのを感じた私は、

驚きと揺れに足をとられながらも咄嗟に振り返った。


そこには先ほどまで自分が通ってきた街道だか獣道だか(私に弓引いた畜生共(ケンタウロス)の通り道だとしたら獣道と呼んでもいいかも知れない)が盛大に抉られ、

すり鉢状のクレーターのようになった地面の中心には、さきほど放置してきたザンが……



「っだぁ!?やべぇはまった!」



訂正、馬鹿の両足がつきたっていた。



「……何をしている」



すわさっきのケンタウロスが気が変わって襲撃してきたかと

身構えて緊張していた精神が、一気に弛緩する。



「いやぁ、森でいきなり馬人間に遭遇しちまってな?驚いた挙句うっかり手近な樹を

一本ほど投げつけちまったんでこいつはやべぇとガン逃げしてたら、

お前の後ろ姿が見えたんで文字通り飛んで来たって訳さ」


「……色々突っ込むべき点も多いと思うが、一つずつその疑問は解決していこうか」



じり……と、距離を詰めていく。

ただでさえスキルで威圧的なオーラを上乗せされているのに、

私の言葉から不穏な空気を感じたのか、馬鹿の方頬が引きつる。



「あ、ああ、そうだな、幾重にも問題が絡まって複雑怪奇に見える事象だって一つずつ解決していけば

実際はなんてことなく簡単なことだったということもあるいやぁ流石ユッグだこんな推理ものの

基本的思考は完全にものにしてい「必殺とはどういうことだね?」……」



加速度的に馬鹿の顔の発汗量が増し、あからさまに目がバタフライを始めた。



更にゆっくり、ゆっくりと間抜けにも両足を地面に突き立てた馬鹿へと近づいていく。



「いやあはは落ち着けよそれはだなまあなんというか」


「なんというか?」


「ええと、うん、これはあれだよ……そう、技の御披露目!?」


「御披露目?」



馬鹿のすぐ目の前、一歩踏み出して手を伸ばせば届くような距離まで近づいてから、

ふと歩みを止める。



「そうそう!御披露目!スキルの組み合わせで面白いことができそうだとおもってよ!?」



問い詰めるような空気から逃れられそうだとでも思ったのか、

テンパってる時の人間独特の半笑いで言葉を続ける馬鹿。



「さっきのを見れば分かると思うけど、スキルを使えば人外レベルの能力が発揮できるだろ?

なら、普通は出来ないゲームとかマンガの技の再現とかもできそうだし、ただ声をかけるのも風情がないだろ?

そこで投げのスキルと打撃のスキル二つを組み合わせることでいわゆる【ぼくの考えた必殺技】を作り出し、

炸裂させることでインパクト大な再会を演出してみた次第なのさ」



と、両足が埋まったままドヤ顔でサムズアップを向けてきた。



「長々とご高説ご苦労……そうだな、スキルの併用による新技……か」



目を細め、わざと何か思案でもするような素振りをして見せると、

ザンはほっとしたような表情でしゃがみこみ、足を引っこ抜こうと調べ始める。



「おう、こんな状況だし何かしら切り札はあった方が良いと思ってなー。

ちなみにさっきのは地面に対して投げ(【ほうり投げるよ! LV1】)を発動して反動で自分を空に飛ばし、

程よく高いところで打撃(【たたき潰すよ! LV1】)を発動して急降下してきたんだ。

イメージとしてはアクションゲーのジャンプ中の対地チャージ技って感じだな」



バランスが取りづらいのか、ふらふらしながらも説明を続けるザン。



「しっかしがっつり埋まっちまったなぁ、こんだけ埋まると流石に力任せに引っこ抜くのも……ぅおっと」



言葉の通り脛の半ばまで埋まった両足だと、さぞ力は入りづらいだろう。

ぐらりとよろめいて、両手を地面について項垂れたような格好になった。



「ふむ、ちょうど良い位地に頭が下りたな」


「は?」


「いやいや、大したことじゃない」



ぽかんとした顔で見上げてくるザンの頭に、ごく自然に右手を置き、目をあわせる。



「私も今新技を思い付いたのでな」



【スキル 常時(パッシブ)スキル 【オートカーシング 幻夢】任意(アクティブ)スキル 【ファントムペイン LV1】発動】



我が身を無用な危険(新技の実験)にさらしてくれたお返し(新技の実験)をしなければな。


短い……つづきます。

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