平和なストライキ
土手に寝転がって空を眺めていた。
犬、怪獣、ソフトクリーム。
いろんな形の雲が風に吹かれてゆっくりと、でもたしかに通り過ぎていく。
何もせず、ただただ寝転がって空を眺め続ける。
いったいどれくらいの時間眺めているのかはわからない。
学校に行こうと早めに家を出て、時間調整で土手に来て、なんとなく寝転がったらもう動けなかった。
学校をサボったことは、あまり気にならなかった。
学校に行ってもただ授業を受けるだけ。
友達がいるわけでもなく、かと言って虐められたりしてるわけでもない。
ただ登校して、授業を受けて、帰るだけ。
いやまぁ、それが学生としての本分なんだけれど。
気がつくと、太陽が結構高い位置で輝いている。
いっそのこと、もう帰ってしまおうか。
でも、家には親がいる。
多分、学校はどうした、と問い詰められることはないけれど、特に会話があるわけでもない。
家でも、学校でも、僕がいる意味というのはあるんだろうか。
きっと今、こうして空を眺めているのは、僕なりのストライキなのかもしれない。
なんて平和なストライキ。
損をするのは僕だけだ。
急に雲が質量を持って落ちてきて、僕のことを潰してはくれないだろうか。
潰れて、消えて、僕は雲と一体化する。
そうすれば僕はもういない。
雲となって、空をただただのんびり流れていく。
必要とされたい。
これはきっと、僕のわがままなんだろう──
土手で寝転がるのは気持ちいいですね。




