表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
言ノ葉の陰陽師  作者: 東宮 千暁
第一章 覚醒編
5/6

第4話:『言葉の勇者』

こんにちは!本日4話目!ぜひ、読んでくださると嬉しいです!

「(……鎮まれ)」

 その一言が、荒れ狂っていた式神をただの折り紙のように変えた。

 理科室を埋め尽くしていたどす黒い霊気が霧散する。

 このあたり一体が静寂となり、耳に痛みを覚える。

 「……あ、あ……」

 膝をついた少年――紙代 律が、震える瞳で湊を見上げた。

 「誰……?今、何を……。術式使ってた?」

 湊は激しく打つ鼓動を必死に抑え、自らを縁のときと同じように、「湊」とだけを名乗る。

 さらに、何が起きたかの説明として

 「……驚きすぎて、僕の術式が展開されているのが見えなかったよ。僕が使ったのはただ、どこにでもある標準術式だ」

 とだけ答え、律に手を貸した。

 その時、背後の窓から一人の男が飛び込んできた。

 「はいはい、そこまで!早く脱出しないといけないよ?湊くん」

 「千代田さん……!?」

 「いいか湊くん、今俺達が行っていることは不法侵入と同意義だ。このまま(あいつら)に見つかると、俺ら逮捕だぞ?さっさと退散しようぜ」

 縁は湊を壁の影へ引き寄せ、更に顔をしかめながら低い声で言葉を続ける。

 「いいかい。(あいつら)は後に精密な霊素スキャンをかけるだろう。湊くんが放ったであろう霊素を特定しにかかる。今回は俺が誤魔化しておくが、これ以上やると何かしら疑いをかけられる。なら、ここはいっそのこと退散したほうがいい。バレる前に。」

 「……身元を特定されるのを避けるためですか」

 「それもあるが、目立ち過ぎたら大学生活に支障が出るぞ。……さて、紙代 律くんだったかな」

 縁は呆然としている律の前でしゃがみこみ、彼が落とした「式神の核」を拾い上げた。

 「……これ、細工されてないか。不純物が混じっている気がする」

 「えっ?」

 「君の修行不足とかではなく、外的要因で式神が暴走させられたのかもしれない。……湊くん、これスキャンしといてくれないか。寮の連中がここまで踏み込んでくるまでもう時間がない。寮に証拠を渡せば、無効に主導権が握られる。真実を知りたければこっちが保管するしかない。いいかい?律くん」

 「はい、スキャンだけなら大丈夫です」

 律はそう返事しながら、「湊」という大学生らしき青年と、その上司のような男をただ見つめることしかできず、やり取りをただ聞き流すだけだった。

 「あの……湊先輩。助けてくれてありがとうございます。ただ……」

 「お礼は言いよ。ただ、律くんのことを知っていて、助けただけだからね。だから、気にしないでね!」

 「うちは民間業者だから、これは宣伝活動みたいなもんだ。……湊くんそろそろ撤収するぞ!寮の連中に見つかって顔が見られる前に、俺達はいなかったとして消えるぞ!」

 その数分後、陰陽寮の人間が現場にやってきて、捜査を始めた。異常な霊素は、律から出てきたものと判断され、湊や縁の存在はバレなかった。律は、湊たちが来たことを伏せながら事情徴収に応じた。しかし、一部の隊員は疑問に思うことがある。到着する前に見た、月光に照らされた外で散る白銀の霊素と窓越しにいる二人の姿を。

 一方、湊と縁は律の「式神の核」から拝借した術式のデータを寮に見つからないように急いで事務所まで持ち込み、解析をすることにした。

 縁は「……この部分の術式に違和感がある。まるで、獣が内側から食いちぎったような」と感じたのだった。

本日も読んでくださりありがとうございます!

できる限り投稿していくのでブックマーク等もよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ